2016.06.14 Tue 更新

新生児メレナってどんな病気!?ビタミン不足が原因で起こる?

新生児メレナ、という赤ちゃん特有の病気があります。吐血や血便といった症状があるので、生まれたばかりの赤ちゃんが発症するとビックリしてしまうかもしれませんが、ほとんどの場合がビタミンKを補うことで回復します。また、近年では予防法が確立しているので発症率は低いとされている病気です。

・ビタミンK欠乏などの出血傾向があるために発症する場合
ビタミンKは胎盤を通りにくい性質があるため、体内にビタミンKが不足した状態で生まれてくる赤ちゃんが多いと言われています。ビタミンKは脂溶性ビタミンで、主に血液を固める作用があるので不足してしまうと体内で出血しやすくなります。血液が固まりにくい状態になっているので、赤ちゃんの消化器官は未熟で簡単に傷ついてしまうので消化管で出血が起こります。

新生児メレナの原因としては、大きく分けて2通りあります。

新生児メレナの原因

新生児メレナは、生まれて2~4日の赤ちゃんに発症し、赤い色やコーヒーのような色の血を吐いたり、血液の混ざった便が出るといった症状が現れます。
これは、赤ちゃんの胃や腸から出血をしているためで、主にビタミンKが不足しているために止血作用が低下していることが原因となっています。現在は予防法が確立されているため、大幅に減少している病気です。

新生児メレナとは

うんちに血が混じっていても、消化管で出血をしていない「仮性メレナ」というものがあります。これは、下痢などが原因で肛門が切れて出血をしていたり、分娩時の出血や母乳に染み出したお母さんの血を飲み込んでしまって、それがうんちに混じって出てくるものなので、病気ではありません。見た目では区別がつきにくいですが、よく見ると血液の色が違い、仮性メレナの場合は真っ赤な鮮血がでます。仮性メレナであれば、治療の必要はありません。

全身の至る部分で出血しやすくなります。一番出血しやすいのが消化官の粘膜で、消化官からの出血があると口から血を吐いたり、血の混じった便が出たりします。進行すると、消化器官に限らず、脳内出血を起こす事もあります。出血が起こる場所によっては危険な状態にもなり得るので注意が必要です。

新生児メレナの症状

新生児メレナのほとんどの原因がビタミンK欠乏によるものだと言われています。

・消化管に何らかの異常があるために発症する場合
消化管の異常としては、食道炎、出血性胃炎、急性胃粘膜病変、胃潰瘍、胃穿孔、十二指腸潰瘍、腸重積症、腸回転異常症に伴う中腸軸捻転、壊死性腸炎、細菌性腸炎、ミルクアレルギー、メッケル憩室(長官の奇形)などがあります。

(1)ビタミンKの補充
ビタミンKの不足によって新生児メレナが発症しているということが分かれば、新生児メレナの赤ちゃんにビタミンKを投与する対策治療で、症状はおさまります。

新生児メレナは基本的にビタミンKを補給することで出血を止めることができますが、出血量が多く、貧血を起こす可能性が高い場合には他の治療方法をとることもあります。

新生児メレナの治療

(2)輸血
新生児メレナを患った赤ちゃんの消化管からの出血が多く、血液が足りていない場合には輸血を伴う対処療法が必要となる場合があります。

(4)胃管による治療
新生児メレナの際に重要な栄養素となるビタミンKの吸収には、赤ちゃんの胃の中にある内因子という物質が必要となります。
もし赤ちゃんの飲み込む力が弱く、口からのビタミンKの摂取が難しい場合の新生児メレナでは、内因子が存在する赤ちゃんの胃に直接
ビタミンKを含む栄養剤を投与するという対処療法がとられるます。

(3)輸液
赤ちゃんの消化吸収不良により、口からのビタミンK摂取による対策では効かない場合には、ビタミンK製剤1mg を赤ちゃんに注射するという対策治療が行われます。
ただし、新生児メレナ対策に行うビタミン K 製剤の静注はまれに赤ちゃんがアナフィラキシー反応を起こすことがあるのでゆっくりと静注するという対策治療が行われます。

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