2016.06.19 Sun 更新

新生児に起こる未熟児網膜症ってどんな病気?その原因や症状・治療法について

新生児の病気のひとつに、未熟児網膜症というのがあります。これは、目の奥の血管が異状に成長することで、網膜が剥離し、重症の場合は失明してしまう恐れがあります。この病気は1,500グラム未満で生まれた極低出生体重児の赤ちゃんの約60%が発症し、妊娠28週未満で生まれた赤ちゃんの発症率はほぼ100%といわれます。

赤ちゃんの眼は、妊娠3週目頃から形成され始め、7週目頃には眼球の形がほぼ完成します。そして、光の刺激を脳に伝える網膜や視神経も同時期に作られますが、網膜に栄養を送る血管は妊娠16~17週以降に発達し始めて妊娠36週頃に完成します。
赤ちゃんがお母さんのお腹にいる期間が短いと、網膜の血管が完成する前に生まれるために網膜の血管の成長は途中で止まってしまいます。途中で成長が止まった血管は枝分かれしたり新たな血管ができたりと異常な発育をしてしまい、網膜剥離を起こして視力の低下や失明を引き起こします。1,500グラム未満で生まれた極低出生体重児の赤ちゃんの約60%が発症し、妊娠28週未満で生まれた赤ちゃんの発症率はほぼ100%といわれます。

未熟児網膜症の原因

未熟児網膜症とは、目の奥にある網膜の血管の伸びが途中で止まってしまい、血管が枝分かれしたり、新たな血管ができたりと、血管が異常に成長する病気です。

未熟児網膜症とは

また、高濃度の酸素の投与が原因でも起こるとされており、保育器内で酸素を大量に用いた際にも発症する場合があります。

高濃度の酸素はこれから伸びていこうとする網膜の血管を収縮させます。これの状態が続くと血管の先端部が閉塞してしまいます。
子宮の中から体外にでた赤ちゃんのさらされる酸素の濃度は、子宮内時の2~3倍になります。これだけで発達途中だった網膜の血管は収縮しますが、極低出生体重児の多くは保育器の中で高濃度の酸素が投与されるのでさらに血管が収縮し、閉塞を起こしてしいます。赤ちゃんの体重が増えて保育器から出るようになると、酸素の投与がなくなるために酸欠状態に陥ります。

未熟児網膜症は、進行の仕方で2種類に分類されます。徐々に進行する「Ⅰ型」と一気に進行する「Ⅱ型」があり、検査をするまではどちらのタイプかは判断できません。

未熟児網膜症の症状と分類

酸素不足を解消するために、血管を伸ばして酸素を供給しなければならないのですが、延びるはずの血管が閉塞してしまっているために、その周囲から新生血管という、異常な血管が周囲に向かって伸びて行きます。この新生血管は非常にもろく破れやすいので、出血をしたり、伸びる際に、線維性の組織を伴って伸びてゆく為、これが収縮して網膜を引っ張り網膜剥離を起こして失明することもあります。

症状の進行はゆっくりで、自然に治る傾向があります。症状の進行具合によって5段階に分けて、治療の必要性を判断されます。
伸びている網膜血管の先端部と、血管の伸びていない網膜との境目に境界線と呼ばれる組織ができる第1段階と、境界線に厚みが増す第2段階までは自然治癒の可能性があり、経過観察となりますが、境界部に新しい血管ができ、増殖した組織が硝子体に向かって伸びていく、第3段階以上になると網膜剥離を起こす恐れがあり、治療が検討されます。

Ⅰ型

Ⅱ型

急激に症状が進行し、網膜剥離を引き起こして失明する可能性が高くなります。自然治癒は不可能なため、Ⅱ型と診断されたらただちに治療が行われます。お腹にいる期間が短く、出生体重が低ければ低いほどⅡ型に該当する確率が高くなります。

未熟児網膜症の検査

角膜の上から光を当てて「眼底」と呼ばれる眼の内側を見る眼底検査を行います。特殊なカメラを使って撮影するだけなので痛みはなく、数分で終わります。未熟児の赤ちゃんの場合は定期的にこの検査を行います。

未熟児網膜症の治療

Ⅰ型・Ⅱ型ともに、レーザー治療を行います。血管が伸びていない部分の網膜をレーザーで焼き、血管が異常な成長をして網膜剥離を起こすことを防ぎます。1回で終わりではなく、回数や期間を調節して様子を見ながら治療を続けます。レーザー治療でも症状が進行する場合には、硝子体手術で増殖組織を取り除き、はがれた網膜をできるだけ元の位置に戻しますが、ほとんどの赤ちゃんに高度な視力障害が残ってしまいます。

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