2016.07.08 Fri 更新

赤ちゃん・新生児によくある核黄疸ってどんな病気?その原因と治療法について

生まれてすぐの赤ちゃんの黄疸はほとんどの場合、生理的な症状です。 健康な赤ちゃんでもかなりの確率で現れるので通常なら心配する必要はありませんが、中には「核黄疸」と呼ばれる危険な病気を引き起こすケースもあります。 今回は「核黄疸」の原因・症状・治療法・後遺症などについて調べてみました。

核黄疸の原因となる疾患

しかし、何らかの理由でビリルビンが多い状態が長く続くと、脳内の大脳基底核という部位にビリルビンが流れ込み、脳に沈着します。
脳内のビリルビンが増えて神経細胞を傷つけ、脳性麻痺を引き起こすまでに至る病気が「核黄疸」です。
新生児黄疸や母乳性黄疸と違い、早急な治療が必要になります。

この時、黄色い色素をもつビリルビンという成分が大量に生み出されます。
こうして皮膚や目が黄色くなることを「新生児黄疸」といいます。
ここまでは健康な赤ちゃんでも高確率で現れる生理的な現象なので心配ありません。
新生児黄疸は遅くても生後2週間頃には消えます。

黄疸とは、血液中のビリルビンという物質が増えることによって、皮膚や眼球や体液が黄色く染まってみえることです。
ママのお腹の中にいる胎児は、効率良く酸素を取り入れるために、血液中の赤血球が多くなっています。
しかし生まれた後は自分で呼吸できるようになるため、たくさんあった赤血球は不要になり分解されます。

核黄疸って何?新生児黄疸との違い

【第2期】3日以上経過

・母乳の飲みが悪い・吐いてしまう
・不活発・元気がない
・ウトウト眠そうにしている
・筋肉がだらっとしている

【第1期】発症後~3日間

核黄疸の症状

主な原因としては、ビリルビンが過剰にできる「溶血性黄疸」、肝臓の機能が弱いために起こる「新生児肝炎症候群」、胆汁の排泄がうまくいかない「先天性胆道閉鎖症」、赤血球が過剰に増える「多血症」などが挙げられます。
なお、母乳育児が原因で起こる「母乳性黄疸」は核黄疸へ移行することはありません。
しかし黄疸の原因を特定すること難しく、素人判断は危険です。かならず医療機関に相談するようにしましょう。

核黄疸の治療法・予防

発症から1週間以上過ぎると脳性麻痺・知的障害・難聴などの後遺症が出る可能性が高くなると言われています。
また、最悪のケースでは死亡に至ることもあります。
第1期までに早急に治療することが肝心です。
しかし未熟児の場合は症状が確認できないことが多くあり、発覚したときにはすでに重症化していることもあります。

・発熱
・けいれん
・ぐったりしている
・筋緊張の亢進
・後弓反張(全身が後方弓形にそりかえる状態)
・甲高い泣き声

出生してから入院している間にビリルビンの検査が行われ、病的な黄疸が疑われる場合は、核黄疸になる前にビリルビンの値を下げる治療が行われます。
ビリルビンの値は日光や蛍光灯の光にあたると下がることが知られています。
昔は黄疸が出た場合は、血液中のビリルビン値を下げるために日光浴が勧められていました。

まとめ

出生後の検査によって早期発見ができるので、核黄疸まで至るケースはほとんどありません。
もしも核黄疸になってしまうと治療は難しく、予防が主となります。

しかし現在では、日光浴では劇的な治療効果は見られないため、きちんと光線治療を行うことが一般的です。
光線でもビリルビンの値が下がらない場合は、体内の血液をすべて置き換える「交換輸血」が行われます。

核黄疸は日本では光線治療や交換輸血によって著しく減っています。
しかし治療には早期発見が重要です。
黄疸と合わせて。赤ちゃんがうとうとばかりしている、哺乳量が減ったなどの兆候が見られる場合は、医療機関で検査を受けましょう。

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