2016.10.17 Mon 更新

赤ちゃんがRSウイルスにかかると重症化しやすい!秋〜冬は要注意

RSウイルス感染症って知ってますか? 秋から冬にかけて流行しやすい感染症で、赤ちゃんがかかってしまうと危険な状態に陥ることもあります。今回は乳幼児のRSウイルス感染症について症状・治療法・予防法などを詳しくご紹介します。

特に生後3ヶ月以内の場合、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすこともあるようです。
1歳未満の赤ちゃんの場合、インフルエンザよりも死亡率が高いという調査結果もあります。
低出生体重児や先天性心疾患、慢性肺疾患、免疫不全などの赤ちゃんは特に重症化しやすいので、注意が必要です。

ただの風邪ウイルスと思われるかもしれませんが、赤ちゃんにとっては要注意です。
RSウイルスは一度感染しても免疫が十分にできず、繰り返し感染しますが、何度も感染するうちに免疫ができていき、症状は軽くなっていきます。
しかし、はじめてRSウイルスにかかる赤ちゃんは免疫がほぼ無く、重症化しやすい傾向にあります。

赤ちゃんのRSウイルス感染のリスク

毎年流行する風邪などの感染症の原因となるウイルスは数百種類存在しますが、その中でも赤ちゃんが最も感染しやすいのがRSウイルスです。
RSはRespiratory Syncytialの略で、「呼吸系発疹」という意味です。
とても感染力が高いウイルスで、生後1歳までに60〜70%、2歳までにほぼ100%の確率で一度は感染するといわれています。

RSウイルスとは

RSウイルス感染症の治療法

生後数週間〜数ヶ月の乳児の場合重症化する危険性が高くなり、生後一ヶ月以内だと無呼吸発作によって突然死亡してしまう可能性もあります。

4〜6日ほどの潜伏期間の後、初期症状として鼻水が出やすくなります。
また、乳児の場合、38度台まで熱が上がることもあります。
症状が数日続きまますが、初めて感染した乳幼児の7割は熱と鼻水の軽症で治ります。
気道に炎症が起きると痰が増加したり、喘鳴があらわれることもあります。
喘鳴とは呼吸するときに「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と音がする症状のことです。
呼吸困難になったり、さらに重症化すると肺炎や細気管支炎になることもあります。

・鼻水
・発熱
・咳
・呼吸困難
・チアノーゼ

RSウイルス感染症の症状

入院

RSウイルスに効く抗生物質は無いため、対症療法を行っていくしかありません。
咳・喘鳴には痰を抑える薬や気管支を広げる薬、鼻水にはアレルギーを抑える薬、発熱には解熱薬など、症状にあわせて薬を飲ませたり、注射をしたりします。
細菌感染の合併を疑う場合は合併している細菌を殺すため抗生物質を投与されることもあります。

対症療法

脱水症状、激しい呼吸困難、二次感染が重篤などの場合には入院を必要とすることもあります。
特に生後1〜2ヶ月の赤ちゃんは入院の可能性が高くなります。
食事や水分が取れない場合は点滴で体液バランスを整えます。
呼吸困難が悪化すると人工呼吸器が必要になる場合もあります。

RSウイルスは感染している人の鼻水や唾液が付いている物に触ったり、舐めたりすることで感染することがあります。
外出後や食事前には念入りに手洗いをし、アルコールで手を消毒しましょう。
赤ちゃんはまだうがいをすることができませんが、家族がしっかりうがいをして赤ちゃんにRSウイルスをうつさないようにすることが大切です。

手洗い・うがいの徹底

RSウイルス感染症の予防法

RSには予防注射があります。
流行シーズンの間、RSウイルスの抗体を月に一回注射すると、肺炎などの重篤な症状を抑えられるといわれています。
この予防注射は以下の条件に当てはまる2歳以下の赤ちゃんは保険適用内で受けることができます。

予防注射

・早産児(6〜12ヶ月以下)
・呼吸器系、循環器系疾患のある子
・免疫不全患児
・ダウン症の子

大人の場合は保険適用外なので高額になります。

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