子宮の表面の皮は破れておらず子宮筋層までで断裂がとどまるものです。
不全子宮破裂
子宮破裂の種類
子宮破裂とは、女性の子宮体部に裂傷ができてしまった状態です。
ほとんどは分娩時の腹圧に耐えきれずに起こりますが、子宮収縮剤の投与や事故などよる外からの衝撃によっても起こる場合があります。
子宮破裂は裂傷の程度によって「不全子宮破裂」と「全子宮破裂」に分類されます。
発生頻度は3000分娩に約1回と極めてです。
発症すると母体の死亡率が2〜5%、胎児の死亡率が20〜80%といわれています。
子宮破裂とは
子宮破裂が起こりやすくなる原因は以下のようなことが考えられます。
子宮破裂の原因
子宮が表面まで離断して子宮の外側から子宮の内面が見える状態です。
全子宮破裂
稀なケースですが手術痕や外傷がなくても自然に子宮壁が弱まって子宮破裂を起こすことがあります。
たとえば、出産を重ねている経産婦や多胎妊娠、巨大児を妊娠しているケースなど、子宮が限界まで拡張して子宮壁が薄くなっている可能性があります。
子宮壁が弱まっている
過去に帝王切開や鉗子分娩で出産したり、子宮内除去術を受けたりした経験があると、子宮に傷がついてしまっている可能性があり、傷ついた部分から子宮破裂が起こりやすくなります。
一度子宮に手術を行っていた場合、切開方法にもよりますが、子宮破裂が起きるリスクが1〜10%にも上昇してしまうそうです。
このため、一度帝王切開をした場合は次の妊娠でも最初から帝王切開を選択することが多いのです。
交通事故などで子宮に衝撃を受けたことがある場合も注意が必要です。
子宮に傷跡がある
子宮収縮剤の投与
陣痛の最中などに非常に強い腹痛を感じることが最初の症状となることが多く見られますが、なんの兆候もなく突然起こることもあります。
発生すると子宮の壁が破けてしまうことによって大量の出血を伴うため、迅速な判断と対応が重要です。
激しい出血を引き起こすと母体がショック状態に陥り、陣痛が弱くなり出産が滞ります。
胎児の心拍は急激に悪化し、裂傷部分から子宮外に出てしまうことで脂肪する可能性があります。
子宮破裂の症状
子宮収縮の薬はいわゆる陣痛促進剤ですが、使用するタイミングによっては危険な薬です。
陣痛促進剤を使用する場合は信頼出来る医師とよく話し合い、行うことが大切です。
輸血・輸液によって全身状態を改善して、できるだけ早く帝王切開による出産に切り替えます。
その後、裂傷箇所を縫合し出血を止めます。
子宮全摘出術を行わなければならないことも多くあります。
処置が少しでも遅れてしまうと命の危険が高まるため、早急な処置が行われます。
子宮破裂の治療法
子宮破裂がその後の妊娠に与える影響
子宮破裂後の妊娠の可能性は子宮破裂の程度により異なります。
裂傷箇所が多く子宮を全摘出した場合は再度妊娠することはできなくなります。
しかし裂傷箇所が部分的の場合にはその部分の縫合処置になるため、妊娠を望むことは可能です。
子宮に傷ができてしまっているので、再度妊娠した場合には、必ず医師と相談して再発のリスクを確認しておきましょう。
子宮破裂はなんの兆候もなく突然起こる場合もあります。
妊婦健診を必ず受けて、子宮の状態を医師にしっかり確認してもらっておきましょう。