ターナー症候群の症状
ターナー症候群は先天性の疾患で、染色体の異常が原因です。
通常、女性はXXという二つの性染色体を持っていますが、ターナー症候群の女性はなんらかの理由で一方のX染色体が部分的に欠ける、あるいは全くない状態で生まれてきます。
X染色の欠損が原因で、さまざまな症状が現れるのです。
ターナー症候群の原因
ターナー症候群は、先天性異常によって生じる女性特有の症状です。
ほとんどに低身長がみられる点から成長障害の一つとして位置づけられることもあります。
ターナー症候群の97.5%は受精卵のときに流産し、2.5%が出産までいたるといわれており、ターナー症候群として産まれてくる子は全出産の2,000〜2,500人に1人とされています。
日本では2009年の段階で約4万人の該当者がいるといわれています。
ターナー症候群とは
胸のふくらみ、陰毛、初潮、卵巣機能が発達するなどの二次性徴がみられないのも多い症状の一つです。
二次性徴がみられない
低身長はほとんどの症例にみられます。
新生児の頃から47cm未満の低身長である場合が多く、出生後の成長もゆっくりです。
最終平均身長は139〜145cmほどといわれます。
低身長
ターナー症候群の主な症状には以下のようなものがあります。
全ての症状が発症するのではなく、いくつかの症状が組み合わさって現れることが多いようです。
・肘がわずかに外側を向いている
・ 首の周りの皮膚が緩んでいる
・髪の生え際の位置(うなじ)の位置が低い
・手足の甲がむくむ
・手足の指が短い。特に薬指と小指
・ほくろが多い
その他の身体的特徴
ターナー症候群の多くに、注意欠陥多動性障害(ADHD)がみられます。
学習障害(LD)が出ることもあります。
まれに明らかな知的障害を伴う場合もあります。
発達障害・学習障害
ターナー症候群が妊娠や出産に与える影響
ターナー症候群の治療法
しかし、ホルモン治療・不妊治療を続けることによって、出産することは不可能ではありません。
2014年11月には日本で初めてターナー症候群の母親が出産したと報道されました。
このケースでは妹から卵子提供を受けた不妊治療を経て、帝王切開にて無事に男の子を出産したそうです。
ターナー症候群の女性は妊娠しにくいといわれています。
まれに妊娠できても、妊娠を継続するには合併症のリスクが高く危険を伴うといわれています。
ターナー症候群は先天性の染色体異常が原因のため、予防することはできません。
もしも赤ちゃんがターナー症候群として生まれてきた場合はどのような治療をしていくのでしょうか?
ターナー症候群が診断された場合、全身の症状を小児科、小児内分泌科、循環器科などを中心に診ていきます。
成長ホルモンの投与
低身長の場合は、成長ホルモンを投与する治療が行われます。
成長ホルモンは口から取ると分解されて効果がなくなるため、注射で投与します。
注射器で寝る1〜2時間前に自宅で注射するのが一般的です。
保護者か、成長すれば自己注射を行います。
思春期を過ぎて骨の細胞分裂が止まったときに治療も終了します。
15歳前後から女性ホルモンを投与する治療をスタートするケースが多いようです。
低用量のエストロゲンを投与することで女性らしい体つきになります。
1〜3年かけてエストロゲンを増やし、生理が来るようにプロゲステロンを投与していきます。
ホルモン補充療法を続けることで他の女性と同じような性生活も送れます。