骨盤底筋のゆるみ
妊娠中に赤ちゃんの成長に合わせて大きくなった子宮は、膀胱を圧迫して尿もれを引き起こします。
産後でもしばらくは子宮は大きいままで、子宮によって膀胱は圧迫され続けているので、尿道を締めて尿が出ていかないようにする力より圧迫する力が強くなった場合、尿もれが起こります。
子宮の圧力
自分の意志とは関係なく、特に尿意を感じていないときにも突然尿が出てしまうことを「尿もれ」と言います。
この尿もれにもいくつかの種類がありますが、産後の尿漏れのほとんどが「腹圧性尿失禁」というもので、くしゃみや咳をしたとき、急に動いた時などのお腹に力が入った時に出てしまうというものです。
この産後の尿もれの原因は次のようなものだと言われています。
尿もれってなんで起こるの?
尿もれの対処法は?
妊娠前もそうですが、妊娠中は特に子宮が大きくなっている分膀胱の収縮力が落ちているので、排尿時についいきんでしまいがちです。
この排尿時にいきむという習慣が身についていると、重いものを持つなどおなかに力が入った時に尿が漏れてしまうことがあります。
普段のトイレ習慣
骨盤底筋は尿道の開閉に使う括約筋とつながっています。
出産時のいきみなどによって骨盤底筋には大きな負担がかかっていて、筋肉疲労によって緩んでしまいます。
なので、産後しばらくは骨盤底筋のゆるみに伴って、括約筋の締りが悪くなって尿もれしやすくなります。
産後1ヶ月を過ぎても尿もれが治まらない場合には、骨盤底筋を引きしめる運動もオススメです。
1ヶ月検診で身体に問題がない場合には、少しずつ骨盤底筋運動をしてみましょう。
自然に収まる場合でも1〜2ヶ月は尿もれと付き合う覚悟で、こまめにトイレに行ったり市販の尿もれ用パッドを活用していきましょう。
また、産後のシェイプアップを目的に産後1ヶ月以内からコルセットやガードルなどでお腹を締め付けないようにしましょう。
締め付けることで、子宮や膀胱を押し下げてしまい骨盤底筋の負担になることで、尿もれを悪化させてしまう可能性があります。
産後1〜2ヶ月かけて身体が徐々に回復していきますので、それにあわせて尿もれも治まることがほとんどです。
この時期は慣れない赤ちゃんのお世話などもあり大変かもしれませんが、身体の回復も重要ですので、できるだけ横になって休むようにしましょう。
骨盤底筋運動
仰向けの状態以外でも、座ったままや立ったままでも効果がありますので、家事の途中や赤ちゃんのお世話の合間などでも大丈夫です。
続けることで徐々に骨盤底筋が鍛えられ、尿もれが改善されていきますのでぜひ続けて下さい。
1〜6を1セットとして10セット行います。
朝晩10セット行うのを繰り返しましょう。
慣れないうちは尿道を締める間隔がわかりにくいかと思いますが、オシッコをしている途中に一旦止めるような感覚でやってみて下さい。
1.仰向けに寝る
2.膝を立てる
3.腕は体に沿わせるようにまっすぐ伸ばす
4.膣・肛門・尿道を締めるイメージでぎゅっと力を入れる
5.その状態で10秒キープ
6.力を抜いて30秒休憩
産後2ヶ月以上たっても尿もれが続く、頻度が多い、量が多いなど普段の生活に影響を与える用なら一度産婦人科化泌尿器科に相談してください。
症状にあわせて膀胱の筋肉を緩める薬、尿道を閉じる筋肉の力を強める薬などを処方してもらうことが出来ます。
病院には行くべき?
尿もれだけでなく腹痛などの症状がある場合には、膣炎などが原因で尿もれ場起きていることもありますので、早めに受診するようにしましょう。