2016.04.14 Thu 更新

前置胎盤って?妊娠中のこの病気の原因と症状、治療法について

胎盤が正常よりも低い位置にあり、子宮の出口(子宮口)を塞いでしまう状態を「前置胎盤」と呼びます。 出産時に帝王切開になったり、大量出血などのリスクがあったりなども考えられる前置胎盤はなぜ起こるのでしょうか?その症状や治療法は?まとめてご紹介いたしますので、参考にしてみてください。

前置胎盤の原因はなに?

そもそも胎盤とは、お母さんとお腹の中の赤ちゃんとを繋ぐ血液、酸素、栄養等とても豊富で重要な組織です。
前置胎盤は子宮の出口に位置し、所謂赤ちゃんが出てくるのを邪魔している状態です。ですので、帝王切開での分娩になり、母子共にとても危険で、ハイリスクな妊娠状態なのです。
更には、様々な合併所が多いのも前置胎盤の特徴です。

前置胎盤は、全分娩の約0.3%〜0.6%程と言われています。
また、前置胎盤のうち5%~10%では胎盤と子宮が癒着して胎盤がはがれない前置癒着胎盤になる可能性も十分にあります。

前置胎盤とは胎盤が正常時の位置より低い位置に着床し、胎盤が子宮の出口にかかったりしている状態を、前置胎盤といいます。(ちなみに胎盤の位置は低いけれど、子宮の入口にはかかっていない状態は低置胎盤といいます)

前置胎盤とは?

前置胎盤は一般的には無症状ですが、典型的な症状でいうと、突発的性器出血です。これは警告出血や予告出血といいます。
大量性器出血が見られる場合には、すぐに産婦人科に受診が必要です。

症状は?

その頻度が増すごとに癒着胎盤の可能性も高くなることでも知られています。
もう一つは煙草です。ニコチンは末梢血管を収縮させて血流を悪くするので、子宮の血流も当然悪くなります。それは子宮内膜のダメージに繋がるので、前置胎盤のリスクも高める結果となります。煙草を吸う人は早産や胎児発育が悪くなりやすいとよく言われるのは、その為です。

発症のメカニズムはハッキリと分かってはいませんが、いくつか考えられる原因はあります。
まず、流産手術などで着床部位の子宮内膜が傷ついたり、炎症が起こったりなどの損傷が生じる事で、きちんとした着床部位が減少し、子宮の下部に着床する可能性が高くなる為だと考えられます。
帝王切開の回数が増えると、頻度も増えていくのも事実です。

分娩にいたっては、ほとんどが帝王切開になります。
出血の量にもよりますが、多くなければ可能な限りお腹の中の赤ちゃんが、体外生活可能な時期まで妊娠を延長することもあります。
先述した、癒着胎盤が高度で剥離困難である場合には、お腹の中に胎児を残し抗癌剤などで胎盤を縮小させる方法もあります。

診療には超音波検査が欠かせません。
もし前置胎盤と診断されてしまったら、基本的な治療法としては、安静にすることが1番です。
出血がある場合には子宮収縮を伴っている可能性もありますので、子宮収縮抑制薬を用います。また必要に応じては、子宮収縮抑制剤を投与して出血を防ぐ方法もあります。ただ、出血の有無に関わらず、妊娠28週頃であれば、安静目的での入院となります。

治療法はあるの?

前置胎盤は胎盤が子宮の下部にあるので、胎児の頭が骨盤の中に入り込めなくて高い位置に胎児が存在するようになります。そのため、骨盤位などの胎位の異常も起きやすくなります。
これらの症状は妊娠28週以降に増加するといわれていますので、十分気をつけて下さい。

また、剥離ができたとしてもその後の出血を止めるのは困難な場合もありますので、そういった場合には、救命目的の子宮全摘術なども行なうケースもあります。
また、大量出血に備えて自分の血液をストックしておくこともあります。
そうすることで、いざという時に輸血に仕様するのです。
前置胎盤は非常にリスクが高く、産科医、麻酔科医など沢山のスタッフも必要であり、且つ小さな個人病院では対応ができないので、大きな総合病院での対応となります。

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