2016.05.13 Fri 更新

出産前から知っておきたい呼吸法。ラマーズ法やソフロロジーについて

フランスのラマーズ医師が広めた分娩方法で、一度は聞いたことのある「ヒッヒッフー」のアレです。事前にお産のプロセスを学ぶことで不安を取り除き、呼吸法や弛緩法を取り入れて心と体の緊張をほぐし、リラックスしてお産をしようとするものです。現在はラマーズ法の他にもソフロロジーという呼吸法があり、多くの産院で取り入れられています。

陣痛初期

出産時の呼吸法として最も有名なのが、このラマーズ法ではないでしょうか。「ヒッヒッフー」といえば、妊婦さん以外でも聞いたことがあると思いますが、じつは陣痛の段階によって呼吸法が変わっていきます。

ラマーズ法

出産時は陣痛の痛みによって呼吸が上手くできなくなることがあります。お母さんが呼吸をとめてしまうと赤ちゃんに十分な酸素が届かず、出産が余計に長引いてしまったり、赤ちゃんが低酸素状態になってしまうことがあります。
このようなことを避けるために大切なのはリラックスすることです。出産の痛みは3割が実際の痛みで、残りの7割は恐怖心によるものと仰る先生もいます。
ラマーズ法やソフロロジー法はお母さんがリラックスしてスムーズに出産できるように考えられた呼吸の方法です。今回はこの2つの呼吸法について詳しくご紹介します。

出産時の呼吸法

陣痛後期

陣痛の間隔が3~5分になったら「ヒッ・フー」の呼吸をします。ヒッは短めに、フーは長めに吐きます。

陣痛中期

陣痛が始まったらまず深呼吸をします。3秒ずつのリズムで鼻からゆっくり息を吸い、口から吐きます。この際、腹式呼吸ではなく胸式呼吸で行います。

赤ちゃんの頭が出てきたら、「フー・フー」と深く長く息を吐きます。上手に力を抜きましょう。

赤ちゃんの頭が出てきたら

いきみの指示が出た後は「フー・ウン」と呼吸をします。鼻から息を吸って「フー」と長めに吐いた後、「ウン」は、1.いきみを逃がすために鼻から息を抜くように吐く、2.瞬間的に肛門のほうにウンといきむ、の2種類を使い分けます。

いきみの指示がでたら

陣痛の間隔が1~2分になったら「ヒッ・ヒッ・フー」の呼吸をします。少しあえぐような短息呼吸になります。このとき、いきみたくなっても子宮口が全開になるまでは我慢です。大きな収縮の波がきたときは、「フー・フー」と息を長く吐いていきみをにがします。

ソフロロジー法

妊娠中のトレーニング

ソフロロジー法は、妊娠中からイメージトレーニングとヨガと座禅の呼吸法を取り入れ、精神統一することで分娩時の不安や恐怖を取り除きます。お産をポジシティブなものとして受け入れ、いざ陣痛が始まった時にリラックスできるようトレーニングを行うのが特徴です。

妊娠中から専用のCD(なければ自分が心地よいと感じる音楽)を聞いて出産のイメージトレーニングやエクササイズをします。意識のコントロールができるようになると本番でリラックスしてお産に挑めるようになります。

ラマーズ法と違い腹式呼吸を行います。あぐらをかき、口を少し開けて、のどを閉めないようにゆっくりと長く息を吐きます。息を吐ききったら口を閉じ、鼻から息を吸います。ポイントは息を吐き切ることです。陣痛の痛みでパニックになると、呼吸が苦しくなり息を吸う事ばかり考えてしまいますが、息を吐くほうに意識を集中したほうが自然に吸うこともできるようになって楽になります。

陣痛がはじまってから

いきみの指示がでたら

まとめ

赤ちゃんの頭が見えてきたら無理にいきみを加えることをやめてゆっくりと息を吐きます。

赤ちゃんの頭が見えてきたら

子宮口が全開になり痛みが強くなってきたら子宮の伸縮に合わせて、息を吐きながらすこしいきみを加えます。

陣痛の痛みでパニックになってしまうとせっかく呼吸法を覚えていても上手くできない場合があります。 どちらの呼吸法も事前にしっかり練習しイメージトレーニングをしておきましょう。また、産院や医院を選ぶ際に、自分が望む出産方法に対応しているかどうかも検討材料にいれましょう。どの呼吸法・出産方法が一番良いということはないので、自分にあったものを選んでくださいね。お母さんがリラックスできることが一番です。

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