2016.06.15 Wed 更新

生まれつきの病気、先天性腸管閉鎖って?その症状や治療法、危険性について

先天性腸管閉鎖は生まれつきの病気で、妊娠中に診断されることがあります。この病気を持っている赤ちゃんは、腸が繋がっていないためにうまく胎便を排泄することができません。出生後すぐであれば、入院中に異変に気づくかもしれませんね。赤ちゃんの様子がおかしいな、と思ったらすぐに医師に伝えましょう。

先天性腸管閉鎖の原因

先天性腸管閉鎖は、十二指腸から結腸までのいずれの腸管にも発生し、重度の腸管の通過障害を発症します。生まれつき腸の一部が繋がらず、途中で離断されたままの状態で生まれてきます。
頻度の高いものは十二指腸閉鎖と小腸(空腸、回腸)閉鎖で、結腸閉鎖は極めてまれです。下部空腸・回腸閉鎖では、約20%の症例に、閉鎖部がいくつもある多発閉鎖が認められます。
2,000~5,000人に一人の割合と言われ、体の未熟な低出生体重児に多く見られます。ダウン症や他の消化管奇形、心大血管奇形などを合併している場合があります。

先天性腸管閉鎖とは

赤ちゃんがお腹の中にいる胎生期に腸が捻転したり、腸重積などにより腸管への血流が障害された事で、腸管閉鎖に陥るのではないかと言われています。

先天性腸管閉鎖の診断・症状

先天性腸管閉鎖は、妊娠中に胎児エコー(超音波)で腸管の拡張像が見られることが多く、十二指腸が閉鎖している場合には二重泡像、空腸での閉鎖の場合には多重泡像を認めます。上部腸での閉鎖では羊水過多(ようすいかた)がみられますが、下部腸での閉鎖では認めない場合があります。

先天性腸管閉鎖は、以下のように分類されます。

出生後は、飲み込んだものや腸液が、閉鎖している部分の手前に溜まり嘔吐します。十二指腸のファーター乳頭部より口側の閉鎖では胆汁の混ざった(黄色や緑色の色のついた胃液)嘔吐をします。そのまま放っておくと脱水症状が起こり、血液循環が悪くなったり,腸穿孔が発生する恐れがあるため、早めの処置を必要とします。
腹部の膨満も必ず現れ、空腸閉鎖では上腹部限定の、回腸閉鎖では腹部全体の膨隆(皮膚の局部的な盛り上がり)が見られます。出生後の赤ちゃんは普通24時間以内に胎便を排泄しますが、先天性腸管閉鎖があると排泄が遅延します。胎便の色が灰白色もしくは淡い緑色となり、間接ビリルビン値の上昇により、皮膚が黄色くなる黄疸が現れます。また、十二指腸閉鎖は心奇形や染色体異常を合併する可能性が高いといわれています。

・膜様型(まくようがた):粘膜のみの閉鎖。空腸に多い
・索状型(さくじょうがた):閉鎖部の間が索状物でつながる
・離断型:腸間膜がV時型で欠けている、回腸に多い
・離断特殊型 (Apple peel型):腸間膜のかなりの部分が無くなっている。小腸の長さも短い
・多発型:閉鎖部がいくつもある

先天性腸管閉鎖の検査

腹部単純X線検査では、閉鎖部位に二重泡像や多重泡像が認められます。注腸造影では造影剤を用いてX線透視下で行われます。
先天性腸管閉鎖があれば、下部空腸閉鎖や回腸閉鎖で小結腸像が認められます。先天性腸管閉鎖かどうかの検査だけでなく、腸回転異常症やヒルシュスプルング病の合併の有無や心奇形や染色体異常の合併に関しても調べます。

先天性腸管閉鎖の治療

緊急処置として、胃管の留置、持続吸引により腸管の減圧を行い、脱水症や電解質の補正を行います。手術は一期的な閉鎖が原則ですが、腸穿孔(せんこう)や胎便性腹膜炎(たいべんせいふくまくえん)を合併している場合には腸瘻(ちょうろう)を造設した後、全身状態の改善や赤ちゃんの体重の増加を待って根治手術を行う場合もあります。

新生児の先天性腸管閉鎖に気付いたら

出生前の診断で先天性腸管閉鎖を疑われた場合は、新生児外科治療が可能な施設での分娩が安心です。先天性腸管閉鎖を持って生まれてきた赤ちゃんは、出産直後から症状が出るので、異変に気付いたらすぐに医師に相談しましょう。

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