2016.06.17 Fri 更新

赤ちゃんの無脳症ってどんな病気?妊娠前に知っておきたい知識。

赤ちゃんの病気の中に、「無脳症」というものがあります。聞きなれない病気ですが、生まれつきの病気で、脳の一部が露出していたり、頭頂部の一部が欠損していることがあります。無脳症を持っている赤ちゃんは妊娠中や産後すぐに亡くなってしまうことが多いのですが、中には歳を重ねて成長しているこどももいるそうです。

原因は未だに分かっていません。
アメリカでは出産1,000人につき1人、日本では10,000人に5~6人の発症頻度で、とても地域差があります。
遺伝的要素が強いと言われていますが、決定づける強いデータはありません。
母体の栄養状態に左右されるという人もいますが、これも決定づける強いデータはありません。

無脳症の原因

胎児にこの症状が現れたら、その胎児は無脳児(むのうじ)と呼ばれますが、ある程度の脳の残存が見られるものを無頭蓋症(むとうがいしょう)と呼ばれます。

無脳症(むのうしょう)は、神経学的奇形症の1つです。
大脳半球が欠如している、もしくは小さな塊として縮小している状態のことをいいます。
頭蓋骨や頭頂部の皮膚も欠損し、脳が露出してしまったり、眼球の欠損や突出、唇の奇形である口唇口蓋裂などが同時に見られることが多いです。
ですが、臓器自体には異常が見られないことがほとんどです。

無脳症とは

「無脳症」という言葉を知っていますか?聞いたことのある方は少ないのかもしれませんね。
この「無脳症」は先天性の奇形の1つです。
近年、日本でも増加の傾向にあり、妊娠前に知っておきたい「無脳症」。
今回は「無脳症」についてご紹介します。

無脳症の診断は、妊娠4カ月以降のエコー(超音波検査)で診断が可能です。
そして羊水か母体の血液から、血清タンパクA-フェトプロテインが検出されることで診断が確実になります。

無脳症は胎児の脳が欠損しているだけで、他には異常がなく、心臓や内蔵、その他の身体は正常に発育します。
栄養もへその緒を通してちゃんと送られています、
ですので、妊娠中は臨月まで生存する可能性はあります。

お腹のエコー写真でわかる

無脳症の早期診断が可能な時期は8週目くらいからです。
多くの方は、妊娠10~12週という早い段階で見つかるそうですよ。
発見が遅れると赤ちゃんもそれだけ成長していますから、人工妊娠中絶をするのもかなり大変になります。
どの時期とははっきり言えませんが、おおよそ妊娠10週前後ならエコー検査などでわかるようです。

どうやって分かるの?

そのため、無脳症と診断されたら、生き続けるための方法も治療法もないため、医師のほうから人工中絶をすすめられます。

無脳症児を母体の中で治療する方法はありません。
自然治癒したケースもありません。
胎内で死亡して流産となるケースは少なく、出産のときまでは生命を維持しています。
しかし、死産となる確率が75%です。
無事に出生した場合もそのほとんどが生後1週間以内に亡くなってしまいます。

エコー検査での妊娠10週くらいの画像では、頭蓋骨の欠損によって頭部が小さくて、写真ではもやがかかっているような画像になっていたりします。
頭部の一部が突然すっぽり無くなって見えたり、脳がむき出しになっているので、ハート型に見えるのが特徴です。
このエコー写真を見て、人工妊娠中絶を行うと決める方もたくさんいるそうです。

治療法はあるの?

無脳症の赤ちゃんの寿命

もちろん無脳症と分かっていながら、出産を決める方もいます。

無脳症と診断された多くの赤ちゃんは、妊娠中に死産してしまう確率が高いです。
生命の維持に重要な役割を担う脳幹の発達も障害されて欠如する例が多いため、胎児の75%は死産になってしまうんだとか…。
やっと出産にこぎつけても生存出来る子は少ないです。
生後1週間以上生存することは難しいとされています。
へその緒を通してお母さんと生きていた子宮内にいた環境と違い、産まれてきたら1人で生きなくてはいけません。
ですので、生まれてもすぐに亡くなってしまう赤ちゃんがほとんどのようです。

ですが、アメリカには無脳症の赤ちゃんが1歳、2歳、3歳と歳を重ねて成長したという事例もあります。
無脳症で出産されても、脳の一部が欠損しているだけで、後は普通の赤ちゃんと同じである可能性もあるんですね。

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