2016.06.19 Sun 更新

体の大きい新生児に起こりやすい分娩麻痺って?

分娩麻痺は、分娩の際に赤ちゃんが産道で強い圧迫を受けることにより発症します。4,000グラム以上の体重である巨大児に起こることが多く、麻痺が起きてもほとんどの場合が数カ月で回復します。経過が悪い場合には、神経を修復する手術を行います。分娩麻痺には大きく分けて3種類あるので、詳しくご紹介していきましょう。

<原因>
腕神経叢という神経の集まりは頸部とつながっており、分娩時に頸部が側方に過剰に引き伸ばされることで損傷が起こります。頸部にかかる力の強さによって、神経が引き伸ばされる程度から神経が完全に断裂してしまうものまで、損傷の程度は異なります。
発生頻度は比較的高く、0・2〜0・5%に発生するとされています。

腕神経叢麻痺(わんしんけいそうまひ)

分娩麻痺の種類は大きく分けて3通りあります。

分娩麻痺とは、分娩児の産道での損傷により生じる麻痺のことです。赤ちゃんは子宮の収縮によって、狭い産道を押し出されて生まれてきますが、その圧力が神経に負担をかけます。その力が限界を超えると、分娩麻痺となります。4000kg以上の巨大児に多く見られ、肩幅が頭よりも大きい場合には産道で引っかかってしまうため、吸引分娩(陣痛だけでは出ない赤ちゃんの頭に、丸いカップを当ててカップの空気を抜くことで吸引し分娩する方法)や鉗子分娩(トングのような専用の器具を使って赤ちゃんの頭を挟み、引っ張り出す応急処置)による牽引が行われますが、過度に力が加わってしまうと分娩麻痺を引き起こします。骨盤位分娩(逆子)でも、頭よりも先に肩が産道を通るため、腕の神経が引き伸ばされやすく、分娩麻痺が起こる場合があります。

分娩麻痺とは

<原因>
分娩の際に頸部が過剰に引き伸ばされることによって横隔膜神経の損傷が起こります。

横隔膜神経麻痺(おうかくまくしんけいまひ)

<治療>
最初の1〜2週間は腕の安静を保ちます。そのあと、関節が変形して硬くなる拘縮を防ぐためにリハビリテーションを開始します。多くの場合は3〜4カ月で完全に回復しますが、神経の完全断裂によるものでは回復を望めず、手術によって神経を修復することが必要になります。生後3カ月で手首を曲げられない場合、または生後6カ月で肘を曲げられない場合は手術を行います。

<症状>
損傷を受けた場所により、上位型(エルブの麻痺)、下位型(クルンプケの麻痺)、全型に分けられます。上位型麻痺では肩や肘を曲げたりまわしたりすることができず、腕全体がだらりとした感じになりますが、指を握ることはできます。下位型麻痺では肩や肘を動かすことはできますが、指を動かすことができません。全型麻痺では肩、肘、指のいずれも動かすことができません。また、横隔膜の麻痺を伴うことがまれにあります。その場合はチアノーゼ(皮膚などが紫色になること)、呼吸数の増加、呼吸困難がみられます。

<治療>
MRI検査で神経根の断裂が証明されることがありますが、ほとんどの場合は症状から診断されます。

顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)

<治療>
呼吸障害に対しては症状に応じて酸素投与、人工呼吸器などの対症療法を行います。自然に回復することがほとんどですが、1〜3カ月ほどかかります。回復がなければ、横隔膜を縫い縮める手術が必要になることがあります。

<検査>
胸部X線検査を行います。その他、X線透視検査も行われます。

<症状>
出生直後から、チアノーゼ、多呼吸、陥没呼吸、不規則な呼吸などがみられます。

<治療>
通常は2〜3週間で自然に治ります。眼が閉じられない場合には、角膜の乾燥を防ぐために点眼を行います。神経断裂によるものは手術を行い、神経を修復します。

<症状>
ほとんどの場合は片方のみに発症します。麻痺を受けた側の眼が閉じられない、口が引きつる、麻痺を受けた側の口角からミルクをだらだらこぼすなどがみられます。泣いている時に症状がはっきりと現われます。

<原因>
分娩時に頭蓋骨部分が強く圧迫を受けて神経に浮腫が生じるか、神経の断裂が起こった時に顔面神経麻痺が起こります。

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