新生児メレナの大部分はビタミンKの欠乏によるものです。
ビタミンKは胎盤を通過することができないので、生まれてすぐの赤ちゃんは蓄積量が少なく、ビタミンK欠乏症に陥りやすくなります。
消化管などに何らかの異常(粘膜の炎症、びらん、潰瘍、壊死)がある場合も発症することがあります。
消化管の異常としては、食道炎、出血性胃炎、急性胃粘膜病変、胃潰瘍、胃穿孔(せんこう)、十二指腸潰瘍、腸重積症、腸回転異常症に伴う中腸軸捻転(ねんてん)、壊死性(えしせい)腸炎、細菌性腸炎、ミルクアレルギー、メッケル憩室(けいしつ)、鼠径(そけい)ヘルニア嵌頓(かんとん)などがあります。
新生児メレナの原因
新生児メレナは別名「新生児出血症」や「真性メレナ」とも呼ばれます。
また、分娩時や授乳の際にママの出血を飲み込んだために生じることもあり、これは「仮性メレナ」として区別されています。仮性メレナの場合は治療は必要ありません。
新生児メレナは新生児期に起こる消化管の出血です。
生後28以内の新生児に発症する病気で、たいていは生後2日から4日くらいの時期に起こる病気です。
口から血を吐いたり、うんちに血が混ざったりすることがあります。
その他にも皮下出血などがみられるようになります。
近年は予防法が確立されているので、国内での発症数は年中数件だと言われていますが、2010年にはホメオパシーを信じている助産師が適切な処置を行わず赤ちゃんが死亡する事件が起きています。
新生児メレナとは?
まずは血液検査で新生児メレナか仮性メレナかを見分けます。
レントゲン撮影や造影検査などで消化器官を状態を調べ、消化管からの出血の原因が何かを特定していきます。
新生児メレナの場合、基本的にはビタミンKを補給することにより出血は治まります。
出血量が多く、貧血などを起こす可能性が高い場合などには輸血を行う場合もあります。
一般的な新生児メレナの場合、すぐに良くなり、後遺症の心配をする必要もありません。
新生児メレナの治療法
ビタミンKは血液を凝固させるのに欠かせない存在です。
このビタミンKの欠乏により、全身の至る部分で出血しやすくなります。
その中でも一番出血しやすいのが消化管の粘膜です。
消化管から出血すると、吐血、下血、血便などの症状が現れます。
しかし、出血する場所は消化器官に限られないため、出血部位によっては危険な状態になることもあり注意が必要です。
生後3週間を過ぎてから新生児メレナと診断された場合には、頭蓋内出血の恐れもありますので精密検査を必ず受けるようにしてください。
新生児メレナの症状
新生児メレナはビタミンKの投与によって大部分が予防できるようになりました。
また、仮性メレナであれば、一時的なものなので治療の必要はありません。
新生児期は肛門も切れやすく出血することもありますが、これは新生児メレナとは違って、真っ赤な鮮血が混じっています。
日頃から赤ちゃんの機嫌やうんちの状態を観察して、体調の変化を見過ごさないようにしましょう。
まとめ
最近では予防意識が強まり、ほとんどの病院で生まれた時や退院するときにビタミンKのシロップを飲ませるようになってきています。
生後一ヶ月健診のときにもビタミンKを補充する処置が施されるので、病院で出産して健診も受けているのであればほとんど発症することはありません。
母乳育児の場合は、ママもビタミンKを多く含む食材を積極的に摂取することで赤ちゃんのビタミンKを補うことができます。