2016.07.13 Wed 更新

新生児の黄疸。母乳性黄疸についても詳しく解説。

産まれてすぐの赤ちゃんに出現する黄疸は、病気ではありません。 病気ではないにしても、気になりますよね。 今回は「新生児の黄疸と母乳性黄疸」についてご紹介します!

この「ビリルビン」は、黄色い色素を持っています。
そのため、大量にビリルビンができると赤ちゃんの肌や白目が黄色くなるのです。
大人ではビリルビンは肝臓で分解され、排泄物としてに体外に排出されます。
ですが、赤ちゃんの肝臓の働きはまだ未熟で、ビリルビンの処理が追い付きません。
ビリルビンが多いままでいるので、黄疸が出てしまうのです。

赤ちゃんはお腹の中にいるとき、お母さんからもらった栄養と酸素を効率良く身体の隅々に運ばないといけません。
そのため、血液中の「赤血球」が多い状態です。
生まれた後は肺呼吸になると、赤血球が破壊され、数が減少して正常の数になります。
赤血球は破壊されると、「ビリルビン」という成分を発生させます。

どうして黄疸が現れるの?

赤ちゃんの肌や白目が黄色くなることを「黄疸」といいます。
この黄疸は、生後2~3日経つと現れます。
大人に黄疸が出ると肝臓に重大な病気がある場合がほとんどですので心配されます。
ですが、新生児期に起こる黄疸は生理的で一過性のものです。
治療を必要とする黄疸もありますが、ほとんどのものが生後数日~数週間かけて治まります。

黄疸とは?

赤ちゃんが母乳をよく飲み、おしっことうんちをたくさんして健康体であれば、特別な治療は必要ありません。

何故、「母乳性黄疸」が長引くかというと、母乳には肝臓の機能を弱めるホルモンが多く含まれているからです。
このホルモンの働きで、ビリルビンを分解する力が弱くなります。
そのため、人によっては、1ヵ月以上続くことになるのです。

赤ちゃんを完全母乳で育てている場合、黄疸が長引くことがあります。
どのくらい長引くかというと、個人差がありますが、1ヵ月以上長引く赤ちゃんもいます。
この黄疸を「母乳性黄疸」といいます。

母乳性黄疸

一般的な黄疸の治療方法は、「光線療法」です。
この治療は、赤ちゃんを保育器に入れて、眼帯をさせて特殊な青い光を集中的に当ててビリルビンの排出を促す、というものです。
オムツ1枚の裸状態で光を当てたり、簡易な服を着せて当てたり等、病院によって治療のやり方が異なるようです。
光線療法で使用する、青や緑色の光に当てることで、ビリルビンを水に溶けやすい状態に変化させて排泄物と一緒に排出させます。

光線療法

ビリルビン値が高い状態が続くと、生理的な症状とはいえ、赤ちゃんの身体に負担になります。
そのため、ビリルビンの値が一定値を超えた場合は治療を行う必要もでてきます。

治療法

交換輸血

赤ちゃんのビリルビン値が高い場合は、医師からお母さんに黄疸の治療についての説明してもらえます。
まずは、医師に赤ちゃんの状態と治療方針を確認しましょう。
しっかりと赤ちゃんの治療を行うことがベストです。
ショックで医師の話をしっかり聞けなかったり、不安で仕方がない時は、遠慮なく助産師さんや看護師さんに相談しましょう。

赤ちゃんが黄疸になったら

「光線療法」をしてみてもビリルビン値が高い状態だったり、急激に上がることがあります。
医師が「ビリルビン値を下げなければ赤ちゃんに重大な病気や後遺症が残る」と判断した場合は、赤ちゃんの全身の85%の血液を交換する「交換輸血」という治療が行われます。
ほとんどの赤ちゃんが光線療法で落ち着くので、この治療が行われるのは珍しいそうです。

いかがでしたか?
日本では、生理的な新生児黄疸なのか、病的な黄疸かどうかを知るために検査を受けることがほとんどです。
ちゃんと検査をして診断されますので、問題があった場合には早期発見・早期治療を受けることができますよ。
もし、治療を必要な状態だとしても、焦らずに医師の指示通りに対処しましょう。

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