頭蓋骨の継ぎ目である大泉門はまだ閉じていないため、そのすき間から飛び出して産瘤をつくります。
しかし、大泉門や骨の継ぎ目に限定されず、赤ちゃんの頭のどこにでもできます。
分娩に時間がかかるとむくみが大きくなり、こぶのようなものができることがあります。
赤ちゃんは狭い産道の中を一生懸命下りて生まれてきます。
このとき、一番大きい頭を先に通過させるため、産道を押し広げるときに強く圧迫されます。
産道からの圧迫によって赤ちゃんの皮下組織内の静脈やリンパ管の流れが妨げられ、頭部がうっ血し、体液が溜まっていきます。
産瘤は何故できるの?
産瘤とは生まれて間もない赤ちゃんの身体(多くは頭部)にこぶやむくみができている状態です。
こぶは大きさは大人の手のひらで覆える程度のものが多いようです。
柔らかくぶよぶよしていて、押すとねんどのように凹んだままになるのが特徴です。
正常な部分とこぶとの境目があまりはっきりしていません。
産瘤って何?
産瘤と頭血腫の違い
奇形や病的なものではありません。
針や注射器などで吸引しようとすると重篤な頭蓋内感染を引き起こす場合があり、禁忌とされています。
逆に危険になってしまいますので、自己判断では絶対に処置を行わないようにしましょう。
産瘤の中身はリンパ液などの体液です。
珍しくない症状で、放っておいても分娩24時間から36時間で消えていきます。
遅くとも1周間程度で消えていくでしょう。
他の疾患の可能性を調べ、特に異常がなければ特に治療の必要はないので安心してくださいね。
産瘤ができたらどうするの?
ときには暗赤色にみえることもあります。
初産や難産のときにできやすいと言われています。
先に出てきた場所が圧迫されるため、逆子の赤ちゃんは、足やお尻にできることもあります。
頭血腫の場合、治療は必要?
頭血腫の頻度は全分娩中の0.2~0.5%以下とされています。
吸引分娩や鉗子分娩を行なわれたときに発症しやすいです。
通常は頭の片側ですが、両側にできることもあります。大きさはピンポン球から野球のボールサイズまで様々です。
表面はかたく触るとゴムまりのような感触で、痛みやかゆみはありません。
押した跡が凹まないので産瘤との判別は簡単です。
産瘤とよく似た症状で「頭血腫(ずけっしゅ)」というものがあります。
頭血腫も産瘤と同様に分娩中に赤ちゃんの頭にできるものですが、こちらは頭蓋骨と骨膜の間の内出血です。
産瘤と違い出生直後は目立ちませんが、生後数日たってから頭の一部が半球状にふくらみます。
かわいい赤ちゃんのあたまがボコっとしていると、不安になってしまいますが、産瘤は心配する必要のない症状です。
出産時の圧迫によってできるもので、頭から生まれてきた赤ちゃんにはとても多いようです。
赤ちゃんが頑張って産道を下りてきた結果として、自然に消えるのを待ちましょう。
まとめ
頭血腫の場合も特別な治療の必要はありません。
出血が他の場所に広がることはありまえん。
産瘤よりも消えるまでに時間がかかり、生後2~3ヵ月かかることもありますが、血液は自然に吸収され無くなります。
ただし血液が吸収される際に赤血球の分解が起きるため、新生児黄疸が出やすくなるという傾向はあるようです。