2016.07.30 Sat 更新

妊娠中のリスク「血液型不適合妊娠」とは?

妊娠中のリスクで「血液型不適合妊娠」というものがあります。 血液型が違う赤ちゃんの血液が母親に混じってしまい、トラブルを引き起こしてしまうのです。 今回は「血液型不適合妊娠」についてご紹介します!

血液型不適合妊娠には種類があります。
ABO式血液型不適合妊娠、Rh式血液型不適合妊娠、不規則抗体による不適合妊娠の3種類です。

「胎児新生児溶血性疾患」を引き起こすと、赤ちゃんは貧血になります。
最悪の場合は心不全、胎児水腫を引き起こし、死亡してしまいます。

その混じった血液が母体の血液にはない抗原を持っていると、母親の体内で抗体が作られてしまいます。
その抗体は胎盤を通じて胎児にうつり、胎児の赤血球と結合してしまうと、赤ちゃんの血液に含まれる赤血球を破壊してしまいます。
そうして「胎児新生児溶血性疾患」を引き起こします。

血液型は基本的に、A型・B型・O型・AB型の4種類で、赤血球の表面には「RH+」「RH−」等、様々な血液型抗原というものがあります。
通常母体とお腹の中の赤ちゃんの血液は混ざり合うことがありません。
ですが、血液型が違う胎児の血液が母親に混じってしまうことがあります。

血液型不適合妊娠とは?

Rh式血液型不適合妊娠は、母体の血液が「Rh−」で胎児の血液が「Rh+」の場合に起こります。

Rh式血液型不適合妊娠

母体がO型で、子供がA型またはB型の場合に起こる血液型不適合妊娠です。
約0.7~2%の確率で発生します。
出生後早期の段階で赤ちゃんに、軽い貧血や黄疸症状が出ることがあります。

ABO式血液型不適合妊娠

血液型不適合妊娠の症状

血液型不適合妊娠の治療法

赤血球に存在する抗体の内、ABO式抗体以外の抗体を不規則抗体と言います。
不規則抗体は、輸血や妊娠によって作られるものがほとんどです。
胎盤を通過すると胎児の赤血球を破壊してしまい、「新生児溶血性疾患」を引き起こします。

不規則抗体による不適合妊娠

ABO式血液型不適合妊娠と違い、妊娠中よりも分娩時に抗体が作られてしまうことが多いです。
そのため、1人目では問題が起きず、2人目以降の妊娠回数を重ねるごとにリスクが高まってしまい、胎児に新生児溶血性黄疸や貧血を引き起こします。
貧血が重症化すると流産が起こりやすくなり、胎児が死亡する危険性もあります。

ABO式不適合妊娠では妊娠中に胎児死亡をきたすような重症例はないと言われています。
出生後の赤ちゃんの黄疸は光線療法で治療することができます。
滅多にありませんが、重症化する場合があります。
重症化してしまった場合は、赤ちゃんの交換輸血治療が必要です。

ABO式血液型不適合妊娠

Rh式血液型不適合妊娠

不規則抗体による不適合妊娠

「抗Dヒト免疫グロブリン」という薬があります。
出産後に、血液が混ざってしまったとしても、抗Dヒト免疫グロブリンを産後72時間以内に注射することで、重症化等を予防することができます。
この治療により、Rh式血液型不適合妊娠による重症の黄疸は少なくなってきています。

妊娠中に赤ちゃんが胎児溶血性疾患になってしまうと「お腹の中の赤ちゃんへの輸血」が主な治療法です。
ですが、週数によっては違う治療法を選ぶ事があります。

いかがでしたか?
血液型不適合妊娠であっても、母体の血液中に抗体が作られなければ問題は起きません。
リスクはありますが、予防と対策はあります。
予防と対策をしっかり行い、リスクや対策があるのかをしっかりと把握しておきましょう!

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