2016.09.07 Wed 更新

妊娠悪阻になると何も食べられなくなる!つわりとの違いは?

妊婦さんのつわりって大変なイメージがありますよね。一般的につわりは妊娠すれば誰にでも起きることで病気ではないとされていますが、あまりにも症状がひどい場合は「妊娠悪阻」という病気と診断されます。今回は妊娠悪阻の症状や治療方法について詳しくご紹介します。

初期の段階では、吐き気が続いて何も食べることも飲むこともできない状態になり、体力がどんどん低下していきます。
そのうち飢餓状態になってしまい、代謝異常による中毒症状も引き起こされます。
最終的には、肝臓や腎臓に障害を負うだけでなく、お腹の赤ちゃんの命が危険にさらされる状態になってしまいます。

妊娠悪阻の症状

しかし妊娠悪阻の場合、通常のつわりの症状を超えて、食事だけでなく水分すらも受け付けなくなり、日常生活を送れない程の状態になる人もいます。
特に重度の妊娠悪阻は「重症妊娠悪阻」と呼ばれることもあります。
発症率は、通常のつわりが全妊婦の約50〜80%なのに大して、妊娠悪阻は約1%程度と言われています。

妊娠悪阻(にんしんおそ)とはつわりの症状が病的な状態にまでなってしまっている状態です。
吐き気や嘔吐などのつわり症状は多くの妊婦さんが経験するものですが、食事を全く受け付けないなどの症状のピークが長期的に続くことはなく、妊娠の経過とともに収まっていくものです。

妊娠悪阻とは

妊娠悪阻の治療方法

妊娠悪阻はつわりが重症化したものですが、つわりの原因は未だにはっきりとしたことがわかっていません。
妊娠によるホルモンバランスや代謝の変化が関係していると考えられており、妊娠悪阻の原因も同じ仕組みだと考えられています。

妊娠悪阻の原因

通常のつわりとの違いは、症状の重さと期間です。
つわりは妊娠5週から16週の間におこり、吐き気、嘔吐、胃のむかつきなどの症状が現れますが、時間と共に落ち着いてきます。
一時的に食事の量が減ることはありますが、全く摂取できない状態ではないため、ピークを過ぎると徐々に回復していきます。
しかし、妊娠悪阻は自然に回復することはほとんどないため、適切な治療が必要となります。

妊娠悪阻が赤ちゃんに与える影響

妊娠初期に薬を服用するのは胎児への悪影響が考えられますが、あまりのも症状がひどい場合は吐き気止めを処方されることもあります。

症状が軽ければ通院による点滴治療となりますが、基本的には入院治療になります。
妊娠悪阻はストレスで悪化することも多いため、家庭環境から切り離すため入院を求められることもあります。
入院期間は1週間〜数ヶ月と、人によって個人差があり、入院治療費は保険適用となります。
入院中は点滴により水分と栄養を補いながら、少しずつ食事ができるように身体を慣らしていきます。

妊娠悪阻になると飲食ができないので、まず脱水症状に陥るケースがほとんどです。
そのため、水分と栄養を補う点滴治療を行い、ブドウ糖やビタミンなどを補給します。

妊娠悪阻と診断されても適切に治療を行っていけば、お腹の中の赤ちゃんに直接的な悪影響はほとんどありません。
赤ちゃんは「卵黄嚢」と呼ばれる栄養の貯蔵庫を備えているので、妊娠初期の間は成長に必要な栄養を自分で補えます。

そのため、できるだけ早い治療をしたほうがよいことには変わりありません。
兆候があればすぐに病院を受診してくださいね。

また、妊婦さんの体は、自分よりも赤ちゃんへ優先的に赤ちゃんへ栄養を送るようになっているので、影響は最小限に抑えられるといわれています。
ただし、妊娠悪阻がひどくなって母体の命が危険な状態にまでなると、赤ちゃんにも低体重などが見られるケースがあります。

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