2016.10.03 Mon 更新

子宮肉腫って子宮筋腫とどう違うの? 原因・症状・治療法

子宮肉腫は子宮にできる悪性の腫瘍です。子宮の病気の中では比較的珍しい病気ですが、非常に治療が難しい病気として知られています。今回は子宮肉腫の原因や症状、治療法、子宮筋腫との違いなどについて詳しくご紹介します。

同じ子宮の病気で「子宮筋腫」というものもあり、こちらはよく聞く病名かと思います。
子宮筋腫は良性の腫瘍のことです。
子宮肉腫よりも発生頻度が高く、30歳以上の女性でなくても、20代でも子宮筋腫がみられることもあります。
子宮肉腫と子宮筋腫は、検査による鑑別が難しいと言われています。
良性の腫瘍(子宮筋腫)だと思っていても、その後に悪性の腫瘍(子宮肉腫)だったと判明してしまうこともあります。

子宮肉腫と子宮筋腫の違い

一方、子宮体がんとは違い、上皮以外から発生する悪性の腫瘍を子宮肉腫と呼びます。
婦人科系のがんの中でも症例が少なく、子宮体がんは1年間で約1万人に発症するのに対して、子宮肉腫は約800人といわれています。
発症する年代はおもに40代から70代の女性に多いといわれていますが、近年では若い女性でも発症することがあります。

子宮肉腫は、膣から奥の部分にあたる子宮体部の平滑筋や子宮内膜の奥の組織にできる悪性の腫瘍です。
子宮体がんという病気も子宮体部にできる悪性の腫瘍のことなのですが、この子宮体がんの場合は、子宮の内側を覆っている上皮の組織から悪性の腫瘍が発生します。

子宮肉腫とは

子宮肉腫が起きる原因はいまだにはっきりとしたことがわかっていません。
子宮肉腫になりやすい体質や習慣などもわかっていません。
多くの子宮肉腫は閉経後に発見されていて、40歳以前に見つかることは稀だという点から、他の腫瘍と同じように高齢になるにつれて子宮肉腫になるリスクが高くなるといわれています。

子宮肉腫の原因

年齢的に閉経を迎えているにもかかわらず性器から出血することもあるそうです。
経血量の増加などの症状は子宮筋腫の場合にも現れることがあります。
子宮肉腫には特徴的な自覚症状というものがないため、出血や下腹部の違和感があれば、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

子宮肉腫が発生した初期のころは、主だった自覚症状がほとんど現れないこともあり、発見が遅れてしまうこともあります。
進行すると月経のタイミングではないのに性器から出血していたり、月経のときの経血量がいつもより多い、おりものの量が増える、下腹部痛などといった症状がでてきます。

子宮肉腫の症状

子宮肉腫の治療法

まずは問診のあと内診を行って、子宮の形やその状態などを調べていきます。
内診を行うときには、膣に指を入れて状態を確認することもあります。
その後、MRIや腹部のCT、超音波検査などを行っていきます。
こういった検査により総合的に判断していきますが、子宮肉腫は子宮体がんや子宮筋腫などと区別をすることが難しいと言われています。
場合によっては、専用のブラシや綿棒などを使って子宮内膜の組織を採取し、その細胞を調べる細胞診検査や組織診検査などを行っていくこともあります。

子宮肉腫の検査・診断方法

肉腫の種類や進行度に異なりますが、手術や抗がん剤・ホルモン剤を使った化学療法が行われます。
しかし、婦人科の肉腫事態がとてもめずらしい病気で症例が少なく、現状では治療法が十分に確立されていない状況です。

放射線療法

子宮、卵管、卵巣を切除し、骨盤内と大動脈に沿ったリンパ節を手術によって取り除きます。

手術

化学療法

高エネルギーX線を用い、体の外から照射する外照射と、がんがある部分にプラスチックのチューブを差し込み、中から放射する近接照射の2種類があります。

抗がん剤によってがんを治療します。
ただし、化学療法だけで完治することは難しいため、手術や放射線療法と併用して治療にあたります。
化学療法では正常な細胞にも影響があるため、吐き気や食欲低下、脱毛、白血球や血小板の減少といった副作用があります。

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