こうした古い内膜や血液によって体内で臓器が炎症を起こしやすくなっている状態が子宮内膜症ですが、子宮腺筋症の場合は、子宮内膜が子宮の筋肉の中に散らばって存在してしまった状態です。
このようなでき方は厳密には他の子宮内膜症とは違い、治療法や対応する薬が子宮内膜症とは異なります。
通常であれば子宮内膜は月経の度に剥がれて体の外へ血液として出ていきますが、子宮の壁や卵巣の中など、子宮以外の場所で子宮内膜が発生してしまうと、体の外に出ていく方法がなく、体内に溜まってしまいます。
子宮内膜症では5つの種類の診断があり、子宮腺筋症はそのうちの一つですが、他の種類とは症状と仕組みが違うため、分けて考えられることも多い病気です。
子宮腺筋症という病名は知らなくても「子宮内膜症」なら知っているという方は多くおられると思います。
子宮内膜症は、子宮の中にあるはずの子宮内膜の組織が、子宮の中ではなく別のところに発生してしまう病気のことを指します。
子宮腺筋症とは
腺筋症の一部に塊をつくる場合もあり、この場合は病巣が小さいため、び慢性腺筋症に比べると発見されにくいようです。
結節性腺筋症
病変が不明瞭で限定しにくく、臓器の広範囲に広がっている状態です。
一般的にはこのび慢性腺筋症の形をとるようです。
び慢性腺筋症
子宮腺筋症の分類
月経量が標準よりも多い
最も多い自覚症状は激しい生理痛です。
初期症状は少しひどい程度なので、市販の痛み止めなどを飲んでやりすごしてしまいがちですが、進行すれば生理時期に関係なく下半身に痛みを感じるようになります。
生理痛がひどくなる
子宮腺筋症の症状
経血の量が増える過多月経も起こりやすく、その影響で貧血になりやすくなります。
子宮腺筋症の原因
子宮腺筋症の症状が見られる部位では着床しにくく、不妊や初期流産の原因になります。
不妊・不育症
子宮腺筋症の原因は子宮内膜症と同じく、はっきりとはわかっていません。
考えられている説は、分娩や中絶手術など何らかの理由によって子宮に傷が出来てしまい、それが引き金となって子宮内膜が異常増殖してしまうのではないかといわれています。
子宮腺筋症の治療法
薬物療法
手術
副作用として、更年期障害と同様の不調が出ることがあります。
薬物療法は一時的に子宮腺筋症の症状を小さくするものなので完全に治せるものではないようです。
費用は病院によりますが、注射によるホルモン剤の投与で月1万円ほど、ピルの服用では月数千円程度になります。
手術に抵抗がある際には薬物療法となります。
薬物療法では女性ホルモンの分泌を抑えたり男性ホルモンをうつことで症状を抑えます。
人工的に閉経後に近いホルモン状態をつくって月経を一時的に止め、子宮腺筋症の症状を改善します。
しかし、腺筋症のみを切除する手術は、病巣の一部を取り残してしまい、再発してしまうリスクもあります。
以前は、30代後半で子宮腺筋症が発見され、既に子どもがいる女性が多かったので、子宮の全摘出を行う方法が一般的でしたが、最近では若い世代の患者が増加し、子宮を残して妊娠の望みをつなぐ治療法もとられるようになってきています。
子宮全摘出手術では20〜25万円前後、子宮の一部を取り除く子宮腺筋症核手術だと、10〜20万円程度の自己負担が必要になります。