2017.01.31 Tue 更新

男性不妊の原因になるOAT症候群って?原因は?治療法はあるの?

「OAT症候群」という言葉を聞いたことがありますか? あまり聞き覚えのない方が多いかと思いますが、男性不妊の原因を指す言葉です。 だんだんと認知されてきてはいますが、男性不妊についての情報はまだまだ少ないものです。 そこで、今回はOAT症候群の原因や検査方法、治療法についてご紹介いたします。

全ての男性が精液検査を受けるわけではないので、妊娠したカップルの男性にも乏精子症である可能性はありますし、男性全体の平均的な精液ないの精子の数がどのくらいの値かは判断しにくいですが、やはり基準値を下回ると妊娠しにくくなると言われています。

乏精子症は精液の中に含まれている精子の数が少ない状態です。
日本産婦人科学会では「精子濃度1mlあたり2,000万個未満」を基準値として乏精子症をと診断され、状態に応じて治療を開始します。

乏精子症

OAT症候群と言うのは、男性不妊の総称で乏精子症(Oligozoospermia)、精子無力症(Asthenozoospermia)、奇形精子症(Teratozoospermia)の頭文字をとって漬けられました。

OAT症候群ってなに?

OAT症候群の原因は?

奇形精子症は、通常とは異なる形状の精子が多くなる症状で、大きく分けると精子の頭部分の奇形と尾部の奇形の2つに分けられます。
正常な状態の精子が15%以上あれば自然妊娠も期待できますが、15%以下になると奇形精子症と診断されます。

奇形精子症

精子無力症は精子の運動性が低下している状態で、不妊治療を行っている医師は、総運動率が50%を下回った段階で精子無力症の可能性を疑い、より詳しい検査を行うようです。

精子無力症

OAT症候群には基本的に自覚症状がありません。
その為、病院を受診するタイミングを逃しやすいですが、自然妊娠を望んでいるのに1年程度経っても妊娠しない場合には、カップルで不妊検査を受けるようにしましょう。

検査方法は?

また、精索静脈瘤もOAT症候群の原因だと言われています。
陰嚢付近に血管の塊が出来る病気で、男性全体の約1割に見られる症状です。
精索静脈瘤ができると血管の塊の影響で陰嚢の温度が上がりやすく、熱に弱い精巣の機能が低下することが原因ではないかと考えられます。

精巣で精子を作る機能に何かしらの障害が起こると、精子をうまく作ることができなくなり、いわゆる「造精機能障害」と呼ばれる状態となります。
この造精機能障害は男性不妊の約9割が占めていると言われていますが、この原因を特定することは難しく、OAT症候群もなぜ引き起こされるのかは明確にはわかっていません。

OAT症候群は精液検査を行うことで診断されます。
精子は生活環境やストレスなどの影響を受けやすく、結果が変化しやすいので2〜3回検査を行なって結果を総合して判断されます。

治療法は?

その後睾丸の診察を行い、大きさや精巣の血管に以上がないかを検査します。
超音波検査を同時に行い、精管に狭窄やつまりがないか、睾丸に悪性腫瘍がないかなどを調べます。
必要に応じて、採血によるホルモン値の検査を行う場合もあります。

造精機能障害が原因だと考えられる時には、禁煙、禁酒、食生活の改善など、精子に良い生活習慣を続けることで改善されることがあります。
睾丸を温めない、締め付けのキツイ下着を避けるようにと言った指導を受けることもあります。

精索静脈瘤が原因の場合には、適切な治療を行うことによって精子の状態が改善することがあります。
コエンザイムQ10の摂取や漢方薬による治療が一般的なようです。
必要に応じて詰まりを除去するために手術を行う場合もあります。

まとめ

女性の不妊に関する情報はたくさんありますが、男性不妊についてはまだわかっていないことも多いのが現状です。
また、知識がないことによって男性が不妊検査を受けるのを嫌がり、適切な治療お開始するのが遅れるということもあるようです。

OAT症候群だと診断されたからと言って妊娠できないわけではなく、生殖医療の発達によって十分に子供を授かる可能性はあります。
自然妊娠が難しい場合には、体外受精などの方法もありますので、まずは原因を知ってパートナーと一緒にどういう治療を進めていくのかを決めるようにしてくださいね。

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