着床出血
「着床出血」「絨毛膜下血腫」「子宮膣部びらん」「子宮頸管ポリープ」の4つの出血があります。
妊娠初期におきる出血の約7~8割はこれらの出血にあてはまることが多く、妊娠・出産は大きな影響はありませんが、自己判断せずにかかりつけ医に相談してみましょう。
あまり心配のない出血
妊娠すると、子宮粘膜に充血が起こりやすくなるため、ちょっとしたことでも出血しやすくなります。出血があるとびっくりしてしまいますが決して珍しいことではなく、心配のない出血も多いものです。ただ、一方では重大なトラブルの兆候であるケースもあるので注意が必要です。
子宮膣部びらん
妊娠5週~妊娠20週ごろにおきる出血の1つで、子宮内に出来る血腫が、子宮の外に出てくる時におこる出血です。
赤ちゃんが問題なく育っていれば、妊娠は継続することが可能です。
出血が続き、お腹の痛みが治まらない時は、切迫流産の可能性が考えられます。すぐに診察を受けてください。
絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)
妊娠初期よりも前の妊娠超初期におきる出血の1つです。
着床出血は、受精卵が子宮内に着床をする時に受精卵の絨毛(じゅうもう)が子宮内膜を傷つけてしまう事で出血を引き起こすことがあります。
着床出血は必ず起きるものではなく、ある人もいればない人もいます。
気をつけるべき出血
子宮頸部にできるポリープです。
99%以上が良性と言われています。
ポリープから出血することはありますが、痛みはなくほぼ無症状。
基本的には経過観察となる場合が多いです。
ポリープ自体が炎症の原因となり、感染症を引き起こし、早産してしまう可能性があるので、感染の原因になりそうだと診断された場合には、妊娠中でも切除することがあります。
子宮頸管ポリープ
妊娠4週~妊娠15週におきやすく、子宮の入り口がただれている状態です。
内診やセックスの刺激で出血することもあります。
生理的なものなので心配ありませんが、自己判断はできないので、まずは産院に連絡を。
「早期流産」「胞状奇胎」「異所性妊娠(子宮外妊娠) 」 の3つがあります。放置すると体に大きな負担をかける事があり、場合によっては不妊(妊娠しにくい)になりやすくなります。
胞状奇胎
妊娠12週より前に妊娠が継続できずに赤ちゃんがなくなることを早期流産と言います。
少量の出血が続く、急に大量出血する、お腹が張る、生理痛に似た腹痛、などの症状が流産のサインです。
すこしでも、おかしいと感じたら病院で受診してください。
早期流産
500人に1人くらいの割合で発症します。
自覚症状はつわりがひどい程度で自分ではわかりません。
診断されたらなるべく早く子宮内容除去術(掻爬・そうは)を行います。その後もしばらく通院して経過を診ます。
胎盤のもととなる絨毛が病的に増殖し、ぶどうのような水泡状の粒で子宮内を満たし、赤ちゃんを吸収してしまう病気です。
異所性妊娠(子宮外妊娠)
そのまま卵管妊娠をほうっておくと、卵管が破裂し、大量の出血や、激痛、血圧低下などのショック症状に陥ることもあり大変危険です。
残念ながら赤ちゃんはあきらめることになります。赤ちゃんだけでなく、ママの命にかかわる危険性も高いので、手術で着床部分を切除する必要があります。
もう1つの卵管に異常がなければ次の妊娠も可能です。
子宮の中ではない場所に着床してしまっている状態です。
98%以上が卵管に着床するケースです。
妊娠反応が陽性でつわりの症状があっても、多くの場合は子宮内に赤ちゃんが見えないことで「異所性妊娠」を疑います。
卵管から出血した血液がおなかにたまり、下腹部痛と少量の出血が見られることもあります。
すぐに産院に連絡するのが基本です。
あわてずに生理用ナプキンをあて、かかりつけ医に状況を的確に説明しましょう。
自己判断は禁物です。少量でも出血が見られたら、医師に相談して適切な処置を受けるようにしましょう。