2016.03.31 Thu 更新

私の羊水って少ないかも…羊水過少って赤ちゃんに影響はあるの?

おなかの赤ちゃんを優しく包んで保護している羊水。ところが、何らかの理由でこの羊水が極端に少なくなると「羊水過少症」と診断されます。羊水量が増える過多症よりさらに珍しいといわれる「羊水過少症」ですが、今回はその原因と詳しい症状、対策についてまとめました。

赤ちゃん側の原因

羊水過少の原因は、大きく3つに分けられます。

羊水過少の原因は?

お腹の赤ちゃんを守っている大切な羊水…その羊水が少ないと言われてしまった場合とても不安になると思います。しかしこれは様々な原因によってどの妊婦さんにも起こりうる事です。
少ないといっても正確な定義づけがされている訳ではありません。
妊娠20週頃には350ml、臨月には800mlにもなる羊水の量。病院によっても違いますが、一般的に100mlに満たないと「羊水過少症」と診断される事が多いようです。
羊水は受精後にお腹の赤ちゃんを外の刺激から守るためにつくられるものです。
胎児の発育に関わっているため、少ない状態が続くと命が危険にさらされることがあるのです。
肺の発育がうまくいかず「肺低形成」という病気を発症してしまいます。この病気が原因で出産後まもなく亡くなってしまったり、死産になることもあります。

羊水過少とは?

その他の原因

ママ側の原因としては妊娠高血圧症などによって胎盤機能不全を起こしている場合が考えられます。
その他にママの飲む薬の影響による場合もありますが、近年では薬に気をつける医師や妊婦さんも多く、薬が原因になるケースは減っています。

ママ側の原因

妊娠中期以降の羊水のほとんどは赤ちゃんの尿で作られています。
羊水が少ない原因の主なものの1つはこの尿の量が少ない、つまり赤ちゃんの排尿機能が上手くいってないという事があげられます。

診断方法は?

通常の羊水量は妊娠後期で500~700mlくらいといわれています。
症状としては、週数のわりにお腹が小さく体重が増えない、胎動を感じない、お腹を触ったときに赤ちゃんの手足の形が妙にわかりやすい、などがありますが、自覚することは難しいかもしれません。
このような症状で異変を感じたら、羊水過少の可能性があるのですぐにかかりつけの産婦人科へ相談しましょう。
羊水過少症は羊水過多症に比べてママの自覚症状が少ないため、超音波検査で初めてわかることも多いです。

羊水過少の症状は?

それ以外で多いのが前期破水によってすでに羊水が漏れてしまっている場合です。
何かの原因で気づかないうちに破水してしまっているのでしょうか。
また羊水が少ない原因について医師が調べても分からない事も少なくないようです。

病院での診断は、超音波検査になります。また、超音波検査によって以下の症状が確認されてしまった場合に羊水過少と診断されます。

赤ちゃん側の原因の場合

治療・対策法はあるの?

・子宮内の壁と赤ちゃんの間にある羊水ポケットの距離が2cm未満になっている。
・妊婦さんのお腹を4つの領域に分けて、それぞれの羊水の量を計って導き出す「羊水インデックス」と呼ばれる値が5cm未満である。

ママ側の原因の場合

赤ちゃんの排尿機能の不全による羊水過少症については実は防ぎようがありません。
なぜなら赤ちゃんの先天的な内臓の障害である場合も少なくないからです。
先天的な内臓疾患で多いと言われるのは「ポッター症候群」です。
これは胎児の頃に腎臓が作られない遺伝子が原因の病気です。この場合は不幸なことに死産となってしまう事が多いようです。
排尿機能はあるが危険な状態だと判断されれば時期にもよりますが早期に帝王切開によって赤ちゃんを取り出す事もあります。

ママ側の原因というのが分かっていれば母体の状態を良くするために生活指導があります。
仕事をしているママは自宅安静でゆっくり休むようにしましょう。
このときに気を付けた方が良い事としては水分を良くとる、横向きに休む、またタバコは母体の血液を減らしてしまい胎児に負担がかかると言われますのでタバコを吸っている人の近くに行かないなどが大切です。

羊水は赤ちゃんを守るクッションのようなもので、羊水が減ると、赤ちゃんは子宮壁・へその緒によって圧迫されると同時に、外部からの衝撃にも弱くなるため、奇形や仮死のリスクが上がってしまいます。
また、赤ちゃんが羊水を飲む量が少なくなると肺の活動が低下し、命にかかわる事態にもなりかねません。
また、分娩時の子宮収縮でへその緒が圧迫され赤ちゃんが低酸素状態になったり、微弱陣痛でなかなかお産が進まなくなったりする原因にもなります。

羊水過少の影響は?

原因不明であったり母子の状態によっては、管理入院で様子を見る場合もあります。
妊娠高血圧症が原因であれば管理入院によって症状が改善する場合もあります。
また人工羊水というのもありますがこれを使っての治療は安全性が確認されておらず、積極的には行われていないようです。

その他の治療法

羊水量には個人差があるので「少なめ」程度なら必要以上に不安になり過ぎなくても大丈夫です。妊娠生活ではストレスも大敵ですから、できるだけゆったりとリラックスしてマタニティライフを送りましょう。
お腹の赤ちゃんの生命力を信じて羊水過少を乗り越えてください!

焦らずに、自分と赤ちゃんを信じましょう

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