「リンゴ病」というだけあって、両頬に紅い発疹が出ることが最大の特徴です。その症状でリンゴ病だと気づく人も多く、発疹の出る前は、発熱や関節痛、倦怠感の症状がある人もいるので、ただの風邪と勘違いすることもあります。
・頬や腕、おなか、太ももなどに赤色の紅斑が現れる
・頭痛や関節痛
・微熱(高熱になることは少ないようです)
・せき、鼻水・鼻づまりなど風邪のような症状
症状は?
そもそも「リンゴ病」は、正式名称を「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」と言い、パルボウイルスB19と呼ばれるウイルスを介して感染する感染症です。感染すると10日~20日の潜伏期間を経て発症しますが、感染力はそれほど強くないため、短期間で急激に流行するようなことはほとんどありません。
パルボB19ウィルス(リンゴ病)とは?
赤ちゃんへの影響は?
妊娠3週から臨月まで、妊娠全期間において感染の可能性があります。特に妊娠前半期は、感染すると胎児を無事に出産できないケースもあります。国内では妊娠20週過ぎにリンゴ病により胎児水腫(胸やお腹に水が溜まったり、全身がむくんだりする)になったケースが多いそうです。
妊娠後期でも感染による胎児水腫が起こったケースもありますので、無事出産するまでは、予防を心がけましょう。
妊娠中に感染の可能性が高い時期
特に幼児や児童の発症が多い感染症ですが、感染者の咳やくしゃみなどの飛沫感染によって拡散するため、育児中のお母さんが家庭内で感染するケースも多いと見られています。残念ながら、このパルボウイルスB19に有効なワクチンや、決め手となる治療法は現時点では存在しません。とは言え、重症化することはほとんどなく、たいていの場合は自然に回復しますので、それほど心配する病気ではありません。
しかし、妊婦さんが感染すると、流産や胎児死亡などを発症する危険性があるので、妊娠中は注意が必要です。
また、子供では3割、大人では6割の人が発疹などの症状が出ないことも、知らぬ間に感染を広げてしまうことの一因なのでしょう。
一度かかると生涯かからないと言われており、就学前から小学校低学年前の子供がかかりやすく、15歳までには半数の人が免疫を得ます。
それでも、半数の人が免疫を持っていないということなので、大人になってからも気をつけなければいけません。
主にせきやくしゃみなどの飛沫感染や接触感染で広がり、感染力はさほど強くありません。稀に輸血で感染する場合もあります。
しかし、発疹の出る前に一番感染力が強く、多くの人は、発疹が出てからリンゴ病と気づくので、知らない間に感染を広げてしまうのです。
また、子供では3割、大人では6割の
パルボB19ウイルス(リンゴ病)の原因や感染経路は?
また、胎児がヒトパルボウイルスB19へ感染すると、身体がむくんだり、胸やお腹に水が溜まったりしてしまう胎児水腫という症状が起こり、心不全などの命の危機にさらされることもあります。
妊婦さんがリンゴ病に感染すると、「ヒトパルボウイルスB19」というウィルスが、血液中の赤血球のもとになる、赤芽球前駆細胞に感染し、増殖、そして細胞を壊してしまいます。そうなると、急激な貧血になることがあります。
貧血が特にひどい場合は危険です。お腹の赤ちゃんにウィルスが感染すると胎児貧血になり、さらに長期間ウィルスに感染し続けることで貧血が続くと、発育が遅れて低出生体重児として生まれてしまう可能性が高まってしまいます。
パルボB19ウイルス(リンゴ病)の予防法について
パルボB19ウイルス(リンゴ病)は予防接種もなく、特効薬もありません。感染することでしか抗体を持てないのです。
抗体があるかどうかは血液検査で調べられるので、抗体の有無を知っておくことをおすすめします。
予防対策としては、免疫力を向上させること、外出を控え、手洗いやマスクの着用を徹底すること、患者と接触しないことなど、とにかく感染を防ぐことです。
また、パパや上の子など妊婦さんの家族が感染してしまうことも避けなければいけませんので、いっしょに予防対策することが大切です。