しかし、疲労やストレス、風邪などの影響で免疫力が低下したり、不衛生な状態になったりすると乳酸桿菌の数が減少してしまい常在菌のバランスが崩れます。
そうなると「バクテロイデス属」や「ガルドネラバギリナス」といった菌が異常繁殖してしまい細菌性腟症を引き起こしてしまいます。
膣内には通常多くの細菌(常在菌)がいて、絶妙なバランスが保たれていることで健康な状態を保ちます。
菌と聞くと悪いものというイメージがあるかもしれませんが「乳酸桿菌」などのいわゆる「善玉菌」と呼ばれる細菌は膣内を酸性に保ち、悪い菌が増殖するのを防いでくれます。
原因は?
この細菌性膣炎や原因となる微生物や細菌が決まっておらず、性感染症とは区別されており「非特異性膣炎」とも呼ばれています。
膣が炎症を起こしていても、カンジダ・トリコモナス・淋病などの病原体が発見されない場合には「細菌性腟症」と診断されることが多いようです。
外陰部と子宮をつなぐ膣内で、細菌が繁殖することによって炎症を起こす病気を「細菌性腟症」と言います。
大人の女性にはよくみられる病気で、女性全体の10〜30%が細菌性腟症にかかっていると言われています。
そもそも細菌性膣炎とは
・おりものの量が増える
・織物が灰色っぽくなる
・生臭いにおいがする
・下腹部痛
・外陰部の腫れ
・かゆみ
主な症状は次のようなものです。
細菌性腟症の症状
連鎖球菌やブドウ球菌、大腸菌などが原因で起こる「細菌性腟炎」という病気もありますが、これは細菌性腟症とは区別されており違う病気です。
妊娠中に細菌性腟症を発症すると、繁殖した細菌が広がって「絨毛膜羊膜炎」になる可能性があります。
この絨毛膜羊膜炎は、お腹の中で赤ちゃんを包んでいる絨毛膜と羊膜に炎症が起こる病気です。
絨毛膜羊膜炎を放置してしまうと、子宮の収縮が過度に起こり、切迫早産や早産のリスクが高まるだけでなく、用水を通じて胎児も感染してしまうことがあります。
妊娠中に細菌性腟症を発症すると
しかし、細菌性腟症は自覚症状が少なく気づかない人も多いようです。
自覚症状が軽いからと放っておくと、繁殖した細菌が広がってしまい子宮内膜炎や子宮付属器炎、骨髄腹膜炎を引き起こすこともありますので注意が必要です。
妊娠20週までに細菌性腟症を治療しておけば、早産を予防できる可能性が高いと言われていますので、妊婦検診などで細菌性腟症が見つかった場合には早めに治療を開始するようにしましょう。
自覚症状がなくても、お腹の赤ちゃんに影響を与える可能性がありますのでそのリスクは減らしておきましょう。
医師の診断を受け、正しく治療を行えば7〜10日TEDで症状が治まりますが、免疫力の低下などがあれば治療が長引くこともあります。
細菌性腟症は、一度治ったからといっても再発しやすい病気なので、完治した後にも呼ぼ王を心がけることが大切です。
細菌性腟症を起こしている場合には、まず原因となっている細菌を特定するためにおりものを採取して調べます。
その後、異常繁殖している細菌を抑えるために抗生物質を使用しますが、この抗生物質には膣内に挿入するタイプ(膣錠)と飲み薬(経口薬)があります。
細菌性腟症の治療には、膣錠を使用することが多いようです。
治療法は?
細菌性腟症は誰にでも発症する可能性があり、珍しい病気ではありません。
生活習慣の乱れやストレスなどで細菌のバランスが崩れ細菌性腟症を起こすこともありますので、疲れやストレスを溜めないようにしながら健康的な生活習慣を心がけましょう。
まとめ
清潔な状態を守るためにも、生理中にはナプキンをこまめに取り替えたりおりものシートを活用したりしながら、デリケートゾーンが不衛生な状態にならないように気をつけてくださいね。
何か異変を感じた時には、早めに婦人科を受診して必要があれば治療を受けるようにしましょう。