漢方は、症状に対して一つの漢方薬が存在するわけではなく、ひとりひとりの体調や体質に合わせて漢方を選んで処方します。
なので生理痛によい漢方と言ってもその人の体質によって異なります。
例えば、足腰の冷えがひどい、でも手足はほてっていたり、経血にレバーのような塊が出るようなタイプには、温経湯(うんけいとう)という漢方がよく処方されます。
この温経湯には主に血行を良くする生薬が配合されていて、寒さを散らして体を温めたり、冷えによる痛みにも有効と言われています。
漢方の選び方
漢方薬を飲むだけで、ホルモンバランスは整えられるものなのでしょうか。
これに対する答えははっきりとは言えません。
というのは、漢方は女性ホルモンに直接働きかけるというわけではなく、体質に合った漢方薬を飲むことで、体内の血流の巡りを良くしたり、冷えを改善して体調を良くするなど、結果としてホルモンバランスを整えていくものなのです。
漢方でホルモンバランスを整える?
女性の身体はホルモンバランスが乱れることで、生理不順や不妊症、PMS(月経前症候群)、更年期障害などさまざま症状に悩まされることが多いです。
これらの症状は生活習慣や食事、ストレスによるホルモンバランスに引き起こされることが多いですが、できるだけ基本的な生活スタイル自体を整えて改善したいですよね。
そんな時、対処療法として病院などで薬を処方してもらう人もいるかと思いますが、妊娠中の人や薬に抵抗のある人には漢方薬がおすすめです。
ホルモンバランスの乱れについて
温清飲(おんせいいん)
ホルモンバランスを整えてくれる漢方薬のほか、症状を緩和してくれる漢方薬もあり人気があります。
ここでは、先ほど温経湯の他、女性ホルモンバランスを整えるもや、さまざまな症状に使える漢方をご紹介します。
市販されている漢方
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血のめぐりをよくし、水分の排出を助けてくれます。
さまざまな症状に使えるので、女性ホルモンバランスを整える以外の目的でも利用されることも多い漢方薬です。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
生理不順におすすめの漢方薬です。
血行をよくしてくれるので、肌の乾燥などにも使えます。
血のめぐりをよくして全身の体温を上げてくれる漢方です。
月経の排出も助けるため、生理痛のひどい人にもおすすめです。
おわりに
気を補い、巡らせる作用がある漢方です。生理不順や更年期障害、産前や産後の不調に用いられます。
不眠や不安など、精神的な症状にも効果的です。
女神散(にょしんさん)
漢方は対処療法的に不調の原因に直接働きかけるわけではなく、体質改善を補う働きをするので毎日の服用を継続していくことが大切です。
即効性がなく、ちゃんと効果があるのか不安に思うかもしれませんが、不調の根本を改善していると考え根気強く続けていきましょう。