妊娠中に水ぼうそうにかかると、胎盤を通じて赤ちゃんにも感染してしまう場合があります。
さらにその中でも、妊娠何周目に感染したかによって、赤ちゃんへの影響が変わってきます。
妊娠中の水ぼうそう、赤ちゃんへの影響は?
そのため、熱が出てから体に発疹が確認できたということであれば、水ぼうそうである可能性を疑ってみましょう。
発疹は水ぶくれになり、次に膿が溜まった状態になります。それから3~4日でかさぶたになり改善に向かうのですが、ひとつひとつの発疹がこの経過をたどるタイミングにはずれがあるので、少しずつ発疹が増えてまた少しずつ治っていく形です。
妊婦が水ぼうそうにかかってしまった場合、症状が悪化しやすいと言われています。特に肺炎を合併してしまった場合は死亡する危険性も考えられるので、たかが水ぼうそうと甘く考えないようにしましょう。
水ぼうそうは水痘・帯状疱疹ウイルスに感染することで発症します。感染力は非常に強く、例えば病院内の同じフロアに水ぼうそう患者がいただけでも空気感染の恐れがあります。
そのため、水ぼうそう患者に触らなければ大丈夫、と油断しないようにしましょう。
潜伏期間は2週間ほどとなっており、どこで感染したのか分からない場合が多いようです。
主な症状として挙げられるのが発熱と発疹です。
大人になってから発症した場合、熱や身体のだるさが先に現れ、1~2日後に発疹ができることがあります。
発疹が出ると言っても一斉に出るというわけではなく、徐々に数が増えていくのが特徴です。
水ぼうそうの原因や症状は?
この時期に水ぼうそうにかかったママの赤ちゃんの約9%で、帯状疱疹を発症してしまう場合があります。
妊娠20週〜分娩21日前までに感染した場合
この時期に水ぼうそうにかかったママの赤ちゃんの約1〜2%で、低出生体重や脳萎縮、白内障などを招く先天性水痘症候群を発症するといわれますが、日本での発症報告はまだないようです。
妊娠20週未満で感染した場合
妊娠中の水ぼうそうの治療法は?
重症化が疑われるケースでは出産を遅らせてママから赤ちゃんに抗体が移るのを待つなどの対策が取られることもあるので、医師とよく話し合って対策を決めるようにしましょう。
胎児への影響が最も大きいと言われているのが、分娩前後に感染をしてしまった場合です。
約30~50%もの確率で赤ちゃんが水ぼうそうを発症してしまうのですが、その中でも分娩の2~5日前までに妊婦が水ぼうそうを発症してしまった場合、赤ちゃんにはママの抗体が受け継がれません。
分娩の6日以上前であればママの抗体を引き継いで生まれてくるために重症化するリスクは低いのですが、2~5日前の発症だった場合は死亡率が約30%となるので注意が必要です。
分娩前後に感染した場合
ママの重症化を抑えるために抗ウイルス薬で治療をする場合もありますが、抗ウイルス性の薬が赤ちゃんに悪影響を与える可能性も懸念されています。
そのため、症状が軽度であれば発疹のかゆみがひどいときに塗る軟膏だけを処方される場合がほとんどです。
ただし、肺炎を併発した場合には重症化の危険性があるため、母体の保護を優先して「高力価免疫グロブリン」や「抗ウイルス剤アシクロビル」など強い薬を投与される場合があります。
間違っても、自分の判断で市販薬などを使用しないで、医師に相談するようにしましょう。
また、水ぼうそうは一度かかると体に抗体ができるため、ほとんどの方が抗体を持っていると考えらえますが、不安な方は検査で抗体を確認してもらうと良いでしょう。
検査の結果、抗体を持っていない場合は予防接種を受けましょう。ただ、予防接種では生ワクチンを使用するため、妊娠中には受けられません。
妊娠を希望している方は事前に確認しておくと良いですね。
先にもご紹介した通り、非常に感染力が強い病気であるため、水ぼうそうの疑いがある人には近づかないことが何よりも大切です。
ただ、どこで感染したか分からないケースが多いため、普段から食事や睡眠をしっかりと取り、免疫力を高めることも予防の上で重要です。