2016.04.11 Mon 更新

常位胎盤早期剥離って?妊娠中のこの病気の原因と症状、治療法について

安定期に入ってからはお腹の大きい状態にも慣れて、安心してきますよね。 しかし出産が無事終わるまでは、何が起きてもおかしくないですし、 リスクのある怖い症状もあります。その一つが常位胎盤早期剥離です。 今回は常位胎盤早期剥離の症状や原因などについてまとめました。

まず原因の一つに、胎盤の形成不全が指摘されています。
胎盤の形成不全は妊娠高血圧症候群、胎児発育遅延などとも密接な関係があります。
早期剥離は産科疾患の中では緊急状態となる代表的なものです。

原因は?

常位胎盤早期剥離は赤ちゃんのみならず母体まで影響を及ぼす恐ろしい疾患です。ですが確率的には0.3〜0.9%の確率で起きると言われています。
正常の分娩経過中に病院内で突然起こることもあれば、臨月前に突然起こることもあります。

赤ちゃんは胎盤を通じて栄養や酸素をもらっていますが、胎盤は通常分娩後15〜30歩程度で自然に子宮から剥がれて外にでてきます。
ですが、常位胎盤早期剥離は胎児がまだ子宮内にいる時に、胎盤が子宮から剥がれ落ちてしまう状態です。
胎盤が剥がれると子宮壁から出血し「胎盤後血腫」という血の塊が、子宮と胎盤の間にでてきます。

常位胎盤早期剥離とは?

主に妊娠高血圧症候群、胎児奇形や子宮内胎児発育遅延、前期は破水喫煙、外敵刺激(交通事故など)が上げられます。
これらが必ず因果関係があるとは限りませんが、注意が必要となります。

どんな時に発生しやすいのか

胎盤がはがれることで胎児への血流が急激に減少する以外に、はがれた部分から悪影響のある物質が子宮内や母体の血液内に入り込みDIC(血液が固まりにくくなる状態)の引き金となります。

DICになると、出血多量によるショックや肝臓や腎臓などの重要臓器の障害を起こします。

胎児は胎盤を介して母体から酸素や栄養分をもらっているので、それが妊娠中に剥離してしまうと、胎児死亡に至ってしまうこともあります。
剥がれる面積の大きさで、酸素供給量が変わりますが、例えば、激しい下腹部痛により救急車で病院に運ばれた時点で赤ちゃんが弱りきっていると、緊急帝王切開後、蘇生処置を実施してもらっても脳性麻痺などの障害が残る場合もあります。

治療法について

逆に軽症(剥離面積が狭い)だと自覚症状がなく、胎児モニター上も異常がなく、検査ではっきりとした所見が認められないことの方が多いです。
この場合、出産後に胎盤の表面に剥離の痕跡が後から発見されることもあります。

基本的に、胎盤の剥離面積がどのくらいかで症状などが変わります。
剥離面積が30%以下だと軽症、30%〜50%だと中等症、50%以上だと重症となります。
重度の場合は、動けない程の下腹部痛で、お腹は板のように固くなり、不正出血がみられることも多々あります。

症状は重症度により様々で、症状の進行速度にも差があります。
ゆっくり剥離が進むものでは、適切な対応を取ることも可能ですが、これは症状が軽くて幸運な例です。

症状は?

軽症以外は緊急に赤ちゃんを娩出することが必要になるため、多くは緊急帝王切開になります。
子宮の止血が難しいことも多いので、母体の命を救うために子宮摘出術をしなければいけない場合もあります。

一部剥離が起きていても、胎盤が正常に機能している場合は、入院して安静にします。
胎盤が正常に機能していなければ、緊急で帝王切開が行なわれます。
常位胎盤早期剥離は危険な症状ですので、軽症だったとしても必ず医師に相談しましょう。

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