卵管の異常
排卵がうまくできない状態で、不妊の原因の中でも比較的多い症状です。
【下垂体性の排卵障害】
脳下垂体の腫瘍や炎症などの異常が原因で、起こる排卵障害です。
【視床下部性の排卵障害】
排卵障害のほとんどが、視床下部性であると言われています。肥満や、過度なダイエット、精神的ストレスが原因で起こります。まれに、脳腫瘍や炎症が原因となる場合もあります。
【多嚢飽性卵巣症候群】
卵巣の中に、卵胞がたくさんでき、排卵を阻害している状態です。卵巣内の男性ホルモン値が高くなり過ぎる事が原因であることが多いようです。
【黄体機能不全】
排卵後、成熟した卵胞が放出され、妊娠しやすい状態を維持する機能が黄体機能です。黄体機能不全の原因は様々で、卵胞の発育不全や、ホルモンの分泌量低下などで起こると考えられています。
【無排卵】
言葉通り、排卵していない状態のことを言います。月経自体がない場合(無月経)と、月経は、あるが排卵していない場合(無排卵月経)があります。
ホルモンバランスの異常によるものとされているが、他に、高プロラクチン血症、多囊胞性卵巣症候群、甲状腺疾患などの病気が原因となる事もあるようです。
排卵障害
ここでは、女性側に不妊の原因がある場合について、ご紹介します。
女性不妊の原因
子宮頸管の異常
本来、子宮内にしか存在しないはずの内膜が子宮以外(卵巣や、卵管、骨盤の腹膜など)にできてしまった状態です。
月経と同じ周期で、剥離・出血するが、体外へ排出することができないため、酷い月経痛や性交痛などの症状を引き起こします。
骨盤内にできることがほとんどですが、卵巣にできるチョコレート嚢胞の他、肺などの離れた臓器にできることもまれにあるようです。
子宮内膜症
卵管は、卵巣と子宮をつなぐ管で、長さ12cm、直径約1mmほどしかありません。
この卵管が詰まったり、炎症を起こすと、受精卵を子宮まで届けることができず、着床できない状態になってしまいます。
もし、着床が成功し、妊娠できたとしても、卵管が上手に子宮に運ぶことができないため、子宮外妊娠となることも考えられます。
男性不妊の原因
精子を異物と捉えて、攻撃してしまったり、動きを止めてしまう抗体の働きにより、受精ができない状態です。
免疫の異常であり、治療も難しい状態です。じっくりと時間をかけて治療を行う必要があります。
それでも困難な場合は、人工授精や、体外受精などの手段もあります。
免疫の異常
子宮頚管は、膣と子宮腔を結ぶ部分のことで、普段は最近の侵入を防ぐために酸性を保っています。
しかし、排卵期になると精子が生存しやすい最適なアルカリ性の粘液を分泌し、子宮内に送り込む重要な役割を持っています。
この子宮頚管、もしくは子宮頚管から分泌される粘液に異常が起きると妊娠しにくい状態となってしまいます。
造精機能障害は男性の不妊の多くが「造精機能障害」です。
簡単にいうと、精子を作り出す機能自体に問題があってうまく作れなくなっている状態です。
精巣やホルモンの異常で症状が引き起こされます。
造精機能障害には次の章な種類があります。
乏精子症
最も重い症状で精液の中に一匹も精子がいない状態です。
精巣や精巣上体に精子があれば顕微授精等の不妊治療で受精・妊娠することが可能です。
無精子症
精子無力症
精液の中野精子が少ない状態です。
精子の数が基準を少し下回る状態ならタイミング法等で受精は可能です。
さらに精子の数が少ない場合には、人工授精や体外受精、顕微授精等の受任治療を行います。
精子の数は正常ですが、運動率が悪い状態です。
WHOが2010年に改訂した基準値では、精液1mlあたりの精子の総運動率が40%以上、前進運動精子(全前運動率)が32%以上です。
運動率が悪いと、卵に辿りつけないために妊娠することが困難になります。
精索静脈瘤…陰嚢内の温度が上がり発育不全など精子形成に悪影響を与えます
閉塞性無精子症…精子の通り道である精管の一部がつまって運ばれず、精液のなかに精子いない状態
先天性精管欠損…生まれつき精管が形成されていない状態で、精子が精巣内から出て来られない状態
膿精液症…前立腺や精嚢等の炎症により、精液中に白血球が増えて精子の運動率が低下している状態
無精液症…精液が造られない状態
逆行性射精…精液が尿道にうまく送られず、膀胱に逆行してしまう状態
勃起不全(ED)…性交時に十分な勃起が得られない、十分な勃起が維持できないなど、満足な性交が行えない状態
膣内射精障害…膣内で射精することが困難になる状態