2016.06.01 Wed 更新

新生児の黄疸って何故できるの?その原因と対策。母乳性黄疸についても解説。

新生児黄疸とは、血液中に含まれているビリルビンという物質の数値がとても高くなり、皮膚や白目の部分が黄色っぽくなることです。といえ、この新生児黄疸、生まれてきた赤ちゃんの90%が発症し、自然に治ってゆくものなので心配はいりません。しかし、病気が原因で発症している可能性もあるので、しっかり様子を見てあげましょう。

新生児黄疸の原因

新生児黄疸の発症率は、90%と言われており、ほとんどの赤ちゃんに起こります。病気が原因ではない、生理的な黄疸は生後2~3日で発症し、生後4~5日でピークに達し、生後1~2週間を過ぎると黄疸は自然に消えていくので心配は要りません。

新生児黄疸って?

黄疸とは、血液中にある「ビリルビン」という物質が増加して、皮膚や白目の部分が黄色っぽくなることです。他にも、尿の色が濃い黄色に変化したり、便の色が薄くなることもあります。

黄疸(おうだん)ってなに?

特に治療は必要ありません。経過観察で、黄疸が自然に治まるのを待ちます。しかし、ビリルビン値があまりにも高い場合は光線治療を行います。ビリルビンは光を受けると水に溶けやすくなり、体外に排出されるため、人工的な光を当てる光線療法を行います。保育器の中で赤ちゃんを裸にし、目を保護するためのアイマスクをつけ、ビリルビンを下げるための昼色光、青色光、緑色光を発する蛍光灯の光を浴びせます。ほとんどの場合、数日でビリルビン値は下がりますが、それでも症状が改善されない重度の高ビリルビン血症の場合は交換輸血を行います。

新生児黄疸の治療

赤ちゃんの黄疸の原因が生理的なものか、病的なものかを見分けるために、経皮的ビリルビン検査と呼ばれる方法でビリルビン濃度を測定します。血液中のビリルビンの値が15mg/dl以上(出生した時の体の大きさで基準値が変動します)を超え続ける場合には病的黄疸が疑われるので、血液を採取して詳しい検査をして診断します。

新生児黄疸の検査

赤ちゃんがお腹の中にいる間は、効率よく酸素や二酸化炭素を運ぶために、血液中の赤血球の数が大人に比べ多くなっています。しかし、出生後肺で呼吸を始めると、大量の赤血球が不要になるため、徐々に分解されていきます。このときに多量のビリルビンが生成され、未熟な新生児の肝臓では処理しきれないために、一時的にビリルビン値が高くなってしまうのです。ビリルビン値が高いことにより、黄疸が発症します。

母乳性黄疸

上記した生理的な新生児黄疸の他に、病気が原因で黄疸が発症する場合があります。

他に考えられる黄疸の原因

母乳を飲むことによって発症します。母乳には女性ホルモンが多く含まれていますが、女性ホルモンには肝臓の酵素の働きを弱めてしまう働きがあります。
酵素の働きが弱くなると、肝臓でのビリルビンの処理が追いつかなくなり、黄疸が2週間以上続く場合がありますが、母乳性黄疸も新生児黄疸同様に、長くて1~2ヶ月ほど過ぎれば自然と治まります。

新生児肝炎症候群

様々な原因により、赤ちゃんの赤血球が急激に破壊され、出生直後から強い黄疸や貧血などの症状が現れます。母体間での血液型の不適合や赤血球形態異常、母体の病気によるもの、薬剤や感染によるものなどが原因として考えられます。

新生児溶血性黄疸

先天性胆道閉鎖症

肝臓の細胞が何らかの原因で傷害を受け、肝臓のはたらきが障害されてしまう病気です。肝臓でのビリルビンの処理が追いつかなくなり、黄疸が生じます。

胆汁には、脂肪の消化吸収を助ける働きがあります。この胆汁は肝臓で作られたあと胆嚢に溜められ、食べ物を食べると胆道から腸へと送られて脂肪の消化・吸収に作用するのですが、この胆道が先天的な異常で詰まり、胆汁が腸に送られなくなるのが先天性胆道閉鎖症です。腸へ送られない胆汁は肝臓にとどまり、肝臓の組織を破壊してしまいます。肝臓の組織を破壊されることでビリルビンの処理が追いつかなくなり、黄疸が生じます。

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