お腹の赤ちゃんに栄養を運ぶために、妊婦さんの血液量は妊娠前より20~30%ほど増加します。
妊娠34週目から臨月に入ると、30~50%ほども増すそうです。
これは血液全体が増えるのではなく、血漿(けっしょう)と呼ばれる血液中の液体が増えるのですが、この血漿は90%以上が水なのです。
体内の水分処理を担う腎臓がいくら働いても追いつかなくなり、むくみが起きる原因のひとつになっています。
血液量の増加
妊娠後期のむくみの原因
むくみ(浮腫み)は身体の皮下組織などに水分が溜まって腫れている状態です。
基本的にむくみそのものに痛みはありませんが、靴や洋服がキツくなったり、まぶたが腫れて視界がせまくなったり、生活に支障がでることもあります。
妊娠中の女性は普段の状態よりも体がむくみやすく、特に下半身に症状が現れることが多いようです。
そもそも「むくみ」って何?
動かない生活・運動不足
妊娠によって体型が変わり、サイズが窮屈な服を着ることで身体が圧迫され血流が悪くなります。
むくみの有無に関わらず、妊娠中に窮屈な服で過ごすのは避けましょう。
衣服による圧迫
妊娠後期になると大きくなった子宮が骨盤内を圧迫し、下半身の血流が心臓の方に戻りにくくなります。
子宮の拡大による圧迫
ストレス・疲労
妊娠の有無に関わらず塩分の摂り過ぎはむくみの原因になります。
人間の体は体内の塩分濃度を一定に保とうとするので、塩分を過剰に摂取すると水分を排出しにくくなります。
食塩摂取量の目安は成人の場合、1日10g以下。妊婦さんは7~8g以下を指導されます。
「妊娠高血圧症候群」のリスクも高まるので塩分のとりすぎには気をつけましょう。
塩分の摂り過ぎ
妊娠後期になると家でずっと過ごしている妊婦さんも多くいます。
また、産休直前まで長時間のデスクワークや立ち仕事をしていたなど、同じ姿勢でいることが多かった人もむくみやすいといわれています。
長時間座りっぱなし立ちっぱなしでいると体液が重力によって下半身に溜まりやすくなり、むくみが発生するのです。
むくみはストレスと深く関係しているそうです。
出産前は出産の不安や体調の変化、環境の変化などで自分でも気づかないうちにストレスが溜まっている、ということがあります。
ストレスを強く受けている人は顔がむくみやすいという話もあります。
足だけでなく顔までむくんでいる妊婦さんは要注意です。
娠後期のむくみの対策
通常のむくみは病気ではありませんが、中には病気が原因となっているものもあります。
代表的なものでは「妊娠高血圧症候群」や「静脈瘤」などがあるので、むくみが酷いときはかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
病的な原因
マッサージ
マッサージやつぼの刺激で血流を改善が望めます。
足のむくみはふくらはぎと太ももを重点的にほぐすのがおすすめです。
お腹が大きくなると自分でマッサージするのは大変なので、パートナーに頼ったり、マタニティマッサージを行ってくれる場所を利用するのもおすすめです
フットバス
妊娠中は薬の服用が制限されますが、漢方薬は使用できることもあります。
専門医に相談のうえ、信用できる薬店で買いましょう。
漢方
昔から妊婦は体を暖めろと言われていますが、冷えもむくみの原因になります。
じんわりと温まる程度の気持ちいい温度で寝る前に行うのがおすすめです。
運動不足もむくみの原因になります。
出産に向けての体力づくりのためにも適度な運動は医師にも推奨されます。
医師の指示に従い、無理しない範囲で活動的に過ごしてみましょう。