2016.11.17 Thu 更新

巨大児って何?原因やリスク、予防法についてまとめました

産まれた赤ちゃんが小さかったり、体重が軽かったら心配になりますよね。 でも大きすぎても問題があります。大き過ぎる赤ちゃんは「巨大児」と呼ばれ、様々なリスクを引き起こしてしまうのです。 今回は「巨大児の原因やリスク、予防法」についてご紹介します!

巨大児には、対称性巨大児と非対称性巨大児の2種類があります。原因もそれぞれ違います。

巨大児になる原因は?

赤ちゃんが巨大児になると、難産になったり、赤ちゃんに合併症が起こりやすくなってしまったりと、様々なリスクを伴います。
巨大児にならないように、妊娠中は体重管理をしていないといけません。

巨大児とは、出生体重が4,000g以上の赤ちゃんのことを指します。
目で確認できるような異常はありません。
ほとんどの場合が、出産予定日の前後に生まれる満期産児のため、お腹の中で育ちすぎてしまったというわけではありません。

巨大児って何?

巨大児の出産にはどんなリスクがある?

心臓、肝臓、肺、副腎、脾臓といった臓器の腫大が確認されることがよくあります。
妊婦さんが糖尿病である場合に起こりやすいとされています。
母体が高血糖だと、胎盤を通じて胎児も高血糖になってしまい、血糖値を下げようとして「インスリン」というホルモンが多量に分泌されます。
このインスリンの分泌量増加が、赤ちゃんの体重増加を促進し、巨大児になる原因だと考えられています。

非対称性巨大児

出生体重が重いこと以外に問題はありません。
片親、または、両親の身長が高いといった遺伝が原因で、巨大児になると考えられています。

対称性巨大児

分娩の際に赤ちゃんの頭は出てきているけれども、肩が引っかかってお産が進まない難産である「肩甲難産」のリスクが高まります。
肩甲難産になると、会陰切開をすることでお産がスムーズに進むこともあります。
分娩時に膣や会陰に大きな負担がかかることで、産道の一部に傷ができやすくなり、膀胱が麻痺したり、尿道が損傷したりするといったリスクも伴います。

難産になりやすい

最悪の場合、外傷による後遺症が残る恐れがあるので、巨大児の出産のリスクをしっかり理解しておきましょう。
考えられるリスクは以下の通りです。

分娩による赤ちゃんの怪我

出産時に会陰や膣が裂傷を起こすことはよくあります。
ですが、赤ちゃんが大きい場合、その裂傷が大きくなりやすいのです。
裂傷の大きさ次第では、母体が大量出血を起こしてしまい、母子ともに危険な状態になることがあります。

裂傷による大量出血

赤ちゃんが巨大児の場合、赤ちゃんにもリスクが出てきます。
産まれてくる赤ちゃんが鎖骨を骨折したり、腕が神経麻痺したりする危険性があります。
出生体重が4,500g以上だと、後遺症が残る頻度も高く、出生児の体重が重いほどリスクは上がります。
母子の安全を第一に考えるため、帝王切開での出産を用いられることが多くあります。

筋肉の疲労によって出産後に子宮が正常に収縮できずに出血する「子宮弛緩出血」を起こす恐れがあります。
出血多量で、より危険な状態になることもあるため、たとえ安産であっても、産後の経過を気をつけなければなりません。

子宮弛緩出血

激しい後陣痛

産後に子宮が元の大きさに戻るために、急激に収縮する際に起こる痛みを「後陣痛」と呼びます。
巨大児は、通常の赤ちゃんよりも子宮の広がりが大きいことから、子宮の収縮が激しいため後陣痛による痛みがひどくなる危険性が高いのです。

場合によっては、インスリン治療も行うようにしてくださいね。
適度に身体を動かして、過度に体重が増えないようにするのも大切です。
妊娠糖尿病を防ぐための食事・運動対策をとることで、巨大児の予防に効果はあります。

巨大児は、妊娠糖尿病が原因で起こることが多いため、この「妊娠糖尿病を防ぐこと」が予防法として最も効果的です。
栄養バランスに気をつけながら、カロリーコントロールをしっかり行うようにしてくださいね。
妊娠前からすでに糖尿病を抱えている妊婦さんは、医師の指示を仰ぎながら、血糖値コントロールを行いましょう。

巨大児を予防するには?

いかがでしたか?
巨大児で産まれてきても、元気に育った赤ちゃんはたくさんいるます。
巨大児の可能性があるからと言って、過度に心配する必要はありませんよ。
分娩の際、リスクをできるだけ減らすためにも、妊娠中のカロリー摂取量には注意してくださいね。
時間があるときは適度に運動するようにしましょう!

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