接触だけで感染してしまい、オーラルセックスやアナルセックスでも感染するといわれています。
まれですが、人の粘膜から離れても数時間は感染力を保っていることがあるので、タオルの使い回しなどで感染することもあります。
淋菌は乾燥や日光などに弱く空気に触れるとすぐに死んでしまいます。
そのため、主に性行為で性器や喉の粘膜が直接触れ合うことで感染します。
勘違いをしている方もいますが、必ずしも射精という行為は必要ではありません。
淋病の原因
淋病(りんびょう)は淋菌という細菌が性器や咽頭などの粘膜に感染することによって引き起こされる性感染症です。
性感染症の中でも感染率が高く、クラミジアに次いで多い性病といわれています。
患者の2〜3割はクラミジアと同時感染しているそうです。
10代や20代の若い女性の感染者も多く、将来的に妊娠を考えている女性、あるいは妊娠中の女性は特に注意したい病気です。
淋病とは
男性の場合
数日の潜伏期間を経て、子宮頸管炎や尿道炎が起き、外陰部のかゆみや不正出血、悪臭をともなうおりもの、排尿痛、発熱などの症状が現れます。
女性の場合、男性と比べ症状が比較的穏やかであることが多いようです。
人によっては無症状の場合もあるので、気が付かずに治療が遅れてしまうことがあります。
女性の場合
淋病の症状
また、出産時にママから赤ちゃんへ産道感染してしまうこともあるので注意が必要です。
赤ちゃんに感染すると、失明、関節への感染、血液の感染といった危険に晒すことになってしまいます。
淋病が妊娠に与える影響
オーラルセックスによって喉に感染すると、淋菌性咽頭炎に、アナルセックスで感染した場合は肛門直腸炎などを引き起こすと言われています。
また、淋菌が血の中に侵入すると敗血症、心内膜炎、髄膜炎、関節炎などの全身感染症を引き起こすこともあります。
性器以外に感染した場合
男性の場合、発症すると早い段階ではっきりとした排尿痛が現れるケースが多いといわれています。
女性が淋病に感染し、適切な治療を受けないまま放置すると、不妊症や子宮外妊娠の原因になってしまうことがあります。
淋病によって起きた子宮頸管炎を放置してしまうと、淋菌が子宮頸管から子宮、卵管を経由して腹腔内へ感染が広がっていきます。
淋病の検査法
そうなると、子宮内膜炎、卵管炎、卵巣炎などの骨盤内感染症、腹膜炎、肝周囲炎など、重い合併症を引き起こすとされています。
最終的には不妊症を引き起こすことがあるので早期の治療が必要です。
ただし、膣分泌物には淋菌以外の細菌も存在するため、顕微鏡検査で検出できない可能性もあります。
顕微鏡検査以外では、培養して調べる方法や遺伝子検査があります。
淋病は性行為後すぐには検査できないため、性行為から3日ほどあけてから検査をしてもらう必要があります。
男性の場合は尿を採取し顕微鏡で検査します。
女性の場合は膣内の子宮頸管の粘膜部分を軽くこすり、膣分泌物を採取して検査を行います。
最近では自分で行える検査キットも市販されています。
忙しい方やどうしても恥ずかしいという場合は利用してみてはいかがでしょうか。
淋病の治療法
淋病の治療は他の性感染症より厄介です。
淋菌が抗生剤に対して薬剤耐性を獲得している事が多くなってきているからです。
このため、内服療法よりも注射による投薬を行う医療機関が多くなっています。