妊娠中に蕁麻疹のような皮膚の発疹や痒みの症状に悩まされる妊婦さんは実は多いと言われています。妊娠中に腕や足、お腹周り、背中などに現れる激しい痒みを伴う発疹は妊娠性痒疹と呼ばれます。
妊娠中~後期に現れやすいと言われますが、発症時期には個人差があるようです。また、初めての妊娠という方よりも、2回目以降の妊娠という方に発症しやすいと言われています。
妊娠中に手や足にできる赤い発疹やそれに伴うかゆみの症状は、妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)と呼ばれる病気かもしれません。蕁麻疹を経験した方は、症状がよく似ていると感じるかもしれません。
妊娠性痒疹って?
妊娠中の蕁麻疹は「妊娠性痒疹」かも!?
妊娠性痒疹になってしまう原因は?
しかし、他の皮膚トラブル同様に、妊娠性痒疹もまたひとたび掻きはじめてしまうと瞬く間に痒みがひろがってしまいます。痒みがつらいと感じる場合は病院で診てもらうことをおすすめします。妊娠中でも使用できる薬を処方してもらうことで楽になりますよ。
妊娠性痒疹と呼ばれる蕁麻疹は、妊娠時特有のものです。ほとんどの方が、出産し、妊娠期間が終わると症状が治まるため、心配はいらないと言われています。「妊娠中はあんなにひどかったのに」と出産後にびっくりするママも多いようです。
いつ治るの?
妊娠性痒疹の激しい痒みにイライラしたり、夜も十分に眠れないという方も多いかもしれません。そうした蕁麻疹によるさらなるストレスは、発疹そのものを治りにくくしてしまうことがあります。
一般に、皮膚の痒みは冷たいタオルや保冷材などで患部を冷やすと多少痒みが和らぐと言われています。しかし、どうしても痒いという場合は医師を受診し、適切な治療を受けることが大切です。妊娠中はただでさえ気分が激しく落ち込んだり、精神的に不安定になりやすいものです。妊娠性痒疹による痒みが負担になるような場合は病院で診てもらうようにしましょう。
痒みがさらなるストレスに
また、ストレスもひとつの原因ではないかと言われています。妊娠中は体の変化や生活スタイルの変化でストレスを感じやすいものです。うまく発散できるようしましょう。
蕁麻疹の原因というとアレルギーを思い浮かべる方も多いと思いますが、妊娠性痒疹は文字通り、妊娠に伴う皮膚疾患です。原因も妊娠時特有のもので、妊娠に伴い体内のホルモンバランスが変化することが原因だと言われています。「妊娠中はシミができやすい」という話を耳にする方も多いかもしれませんが、妊娠することによる体の変化で皮膚にも何らかの影響が出てしまうことがあり、妊娠性痒疹もそのひとつと考えてよいでしょう。
妊娠中のホルモンバランスの変化が大きな原因
自己判断はせず、医師の受診を
どうしても皮膚のかゆみがおさまらない場合に薬を使用する時には注意が必要です。市販薬の中には胎児に影響が現れるものがあるからです。
薬の使用は自己判断でしないようにしましょう
医師から処方された薬を使いましょう
中には、妊娠初期の頃から妊娠性痒疹に悩まされる方もいますので、妊娠の可能性がある場合はまず、市販薬の使用は控えた方がよいでしょう。
かゆみ止めの薬だけではなく、風邪薬や胃腸薬など様々な薬に妊娠中は注意が必要です。買い置きの薬をうっかり服用しないよう注意が必要です。
妊娠中の薬の使用は注意が必要とはいえ、使用できる薬が全くないというわけではありません。
妊娠中の皮膚トラブルはまずかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。妊娠週数に応じて使用できる薬を処方してもらうことができます。
皮膚の痒みは何をしていてもつらく、イライラしたりと精神的なダメージを引き起こしやすくもあります。
妊娠中は薬の服用に抵抗がある妊婦さんも多いかもしれませんが、医療機関を受診すれば安全な薬を処方してもらうことができます。何より、妊娠中のストレスは、お腹の赤ちゃんにも負担がかかることもあるかもしれません。
出産後には治る場合がほとんどです
なお、妊娠性痒疹の治療薬としては、塗り薬の他、症状が重い場合には飲み薬が処方されることもあります。いずれの場合も、妊娠していることを告げた上で処方された薬は、用法用量に従い服用する範囲であれば安心して使って大丈夫でしょう。
皮膚トラブルの専門家である皮膚科でも妊娠中に服用できる薬を処方してもらうことが可能です。その際、別のクリニックを受診している状況であれば、次回健診時にかかりつけの産婦人科でも共有しておくとさらに安心ですね。
なお、妊娠中にひどい皮膚疾患に悩まされた妊婦さんでも、妊娠性痒疹の場合は出産とともに症状がなくなります。過度に心配せずに、「妊娠中だけ」と割り切るのもいいかもしれませんね。