胎児の大きさは190~250ミリ、体重は300~450グラムほどに成長します。
頭蓋骨や脊髄などの骨が硬くなり、体脂肪が増えてふっくらとした体型になっていきます。
羊水の中を盛んに動き回っているので、逆子の状態になってしまうことがあります。
ですが、今の時点では心配しなくて大丈夫です。
妊娠21週目
ママの子宮底長は19~25センチほどで、子宮は妊娠前の約3倍の大きさです。
妊娠20週では350mlほどだった羊水の量が、25週で500ml、33週で800mlと増加し、お腹がますます大きくなります。
胎児の大きさは170~230ミリ、体重は220~350グラムほどになり、出生時と同じプロポーションになります。
体の主要な器官はほぼできあがり、ここからは細部が形成されるようになっていきます。
体重増加のペースが早まることから、お医者さんに増えすぎだと注意を受ける方も多いです。
胎児も栄養を必要としていることから急激に太りやすい時期です。
ですので、適度にダイエットをしながら、体重管理を行っていきましょう。
妊娠20週目
妊娠20~21週目にあたる妊娠6ヶ月は、腹がどんどん大きくなり、胎動を日々感じることから母親になる実感を得る時期です。
今回は「妊娠6ヶ月目の妊婦さんの症状と赤ちゃんについて」をご紹介します。
お腹が前にせり出すことで体の重心が変わり、足元も見えにくくなって歩く速度が遅くなる等、動作がゆっくりになって、「これぞ妊婦!」となるのが6ヶ月目です。
聴覚が発達し、音の情報を脳へ伝えられるようになることから、外の音に反応できるようになります。
ママの子宮は大人の頭よりも大きくなり、お腹が邪魔をして日常の動作がしにくくなる時期です。
そして嬉しいことに、ほぼすべての妊婦さんが毎日胎動を感じている時期です。
ですが、妊娠21周頃から今まで感じられていた胎動が減り、不安に思う方もいます。
これは赤ちゃんに睡眠リズムができてきたサインです。決まった時間や一定の間隔で胎動を感じることが増えるので、1日に1回胎動が感じられるようならあまり心配はいりません。
ただし、24時間で1度も胎動が感じられない場合は、赤ちゃんにトラブルが起きている可能性もあるので、不安な場合はお医者さんで相談しましょう。
胎児の大きさは230~280ミリ、体重400~500グラムほどで、ここから妊娠27週目にかけて2倍の大きさに成長していきます。
子宮も18~20センチと大人の頭より大きくなります。
お腹が大きくなることで、靴紐を結ぶ、しゃがむなど日常の動作が難しくなっていきます。
また、大きくなる子宮が血管を圧迫し、めまいや立ちくらみ、下腹部痛を引き起こす場合があります。
妊娠22週目
ママの子宮底長は20~26センチほどの大きさで、お腹が前にせり出していきます。
そのため、体の重心がずれてバランスが取りにくくなり、お腹が邪魔をして足元が見えづらくなります。
階段では手すりを使う、ヒールの低い靴を履くなどして転ばないように気をつけましょう。
体重は週200~400グラムのペースで増え、妊娠前よりも体重が3~5キロほど増加している方が多いです。
体重が全く増えていない方や1週間で500グラム以上増えてしまった方は妊婦健診で指導を受けることもあります。
胎児の大きさは250~300ミリ、体重は450~700グラムほどで、毎週200グラムずつ体重が増加するようになります。
赤ちゃんの成長に合わせて、子宮も大人の頭より1回りほど大きくなり、子宮のてっぺんはおへその少し下あたりにきます。
子宮は今後、1週間に400〜500グラムずつ大きくなっていきます。
子宮底長は22~28センチほどで、胎動が激しくなり、お腹に手を当てると赤ちゃんの位置がわかるようになります。
妊娠23週目
「生育限界」とは、妊娠22週目までの期間のことを指します。
22週から正期産とされる37週に達するまでに赤ちゃんが生まれてしまうことを「早産」といい、22週未満で分娩されてしまったことを「流産」といいます。
早産の結果、赤ちゃんが生存できなかった場合には、「死産」という扱いになります。
妊娠37週未満で胎児が母体の外に出てしまうと、新生児ICU(集中治療室)での治療が必要になることがほとんどです。
早く生まれれば生まれるほど、障害が残る可能性も大きくなります。
この22週を越えると現代医学の助けがあれば、赤ちゃんが生まれても助かる可能性が高くなるので、妊娠22週目は大切なラインなのです。
「生育限界」
乳頭からは分泌液が出るようになり、母乳をつくる準備をはじめます。
分泌液をそのままにしておくと、乳頭が乾燥し、産後に「乳頭亀裂」を引き起こす原因になります。
脱脂綿などで都度ふき取り、乳頭を清潔に保つようにしましょう。
また、きつい下着は乳腺の発達を妨げてしまうので、ゆったりとした下着や服を着用するようにしてくださいね。
位置や向きによって時間がかかることもありますが、妊娠6~7ヶ月頃にはエコー検査で赤ちゃんの性別が確認できることがほとんどです。
性別がわかると、赤ちゃんに会えるのがさらに待ち遠しくなりますよね。
また、産後の準備もしやすくなるので、体調が安定しているときに赤ちゃんの肌着や洋服を少しずつ準備していくのがおすすめです。
性別が判明する時期
妊娠6ヶ月頃は、ほとんどの方が1日に1回胎動を感じます。
通常はおへそより少し上あたりに感じますが、逆子の場合は胃の下や足の付け根近くで感じることが多いです。
子宮内にはまだ隙間があるため、赤ちゃんは羊水に浮かびグルグル動き回っています。
その後成長にともなってスペースがなくなると、重力で頭が自然と下向きになっていきます。
妊婦健診で逆子と伝えられたとしても、今の時点ではよくあることなので必要以上に心配せず、気になることがあればお医者さんに相談しながら見守っていきましょう。
胎動で逆子がわかるように!
逆子とは?
単殿位と複殿位は経膣分娩できることもありますが、膝位と足位の場合は、帝王切開になります
・単殿位(たんでんい):体をV字に曲げて、両足を上げてお尻が下になっている状態
・複殿位(ふくでんい):赤ちゃんが体操座りしていて、足とお尻が同じ高さにある状態。赤ちゃんのお尻は下を向いている
・膝位(しつい):膝立ちした状態で足を曲げた状態。膝が子宮口を向いている
・足位(そくい):足を伸ばして立ったような状態。足先が子宮口を向いている
逆子の種類
妊娠16週がたって安定期に入るとつわりも落ち着いてきますが、突然のトラブルに見舞われることもあります。
その中でも、一般的なものが「逆子」で、正期産の約5%が逆子だといわれています。
「逆子」というものは、子宮内で赤ちゃんの足やお尻が下向き(骨盤方向)になっている状態のことです。
正式には骨盤位といいます。
妊娠19週前後になると、多くの妊婦さんが胎動を感じ始めます。
通常は妊婦さんのおへそより少し上あたりで胎動を感じるのですが、頭と骨盤の位置が逆になっている逆子では少し異なり、その他の特徴としては次のようなものがあります。
逆子の胎動
・胃のすぐ下からおへその上あたりで、ごにょごにょと動いているのを感じる
・肛門や膀胱、直腸をどかっと蹴られて、ぎゅうっと押されるような、鈍い痛みを感じる
・お腹側の足の付け根(下着のライン付近)である鼠径部(そけいぶ)に近い場所でモゴモゴと動く
・下半身を激しく蹴られ、同時にお腹が張る
逆子の赤ちゃんも全身を動かしています。
妊婦さんがよく感じるのは、強く動く足の位置で、単殿位ではわき腹の上の方で胎動を感じることがあり、複殿位では骨盤近くでも感じるようです。
足位の場合は、膀胱近くの下腹部で胎動があり、胎動で膀胱が刺激されるので、トイレが近くなる方もいます。
胎動の強さや間隔については通常時と大差ありません。
ですが、やはり下腹部に胎動を感じるので通常の場合とはまた違った痛みや違和感があるようですね。
逆子体操
妊娠中期にお医者さんから逆子だと聞かされていても、実はあまり心配はいりません!
妊娠30週までには、自然と頭位(頭が下向き)になることがほとんどです。
もしこの時期までに改善されていないと、「逆子体操」をすすめられます。
「逆子体操」では、四つんばいになり、胸を床に付けるように下げます。
おしりの位置はそのまま上で、15分くらいがんばりましょう。
骨盤にはまり込んでいた赤ちゃんのお尻が、骨盤から離れて動きやすくなります。
その後、赤ちゃんの背中がママの左側にあれば、右を下にして横向きに寝ます。
赤ちゃんの背中が右側なら逆です。赤ちゃんの背中の位置がわからないときは、いつも寝る向きと反対になりましょう。
もしも体操の途中でお腹の張りを感じたり、痛みを感じたりしたら、中止して様子を見てくださいね。
妊娠6ヶ月の赤ちゃんの状態
妊娠6ヶ月の終わりになると、胎児の大きさは250~300ミリ、体重は450~700グラムほどに成長します。
体の主要な器官が完成し、体の表面が産毛で覆われる、髪の毛が多くなる、まつげやまゆげが生えてくる、まぶたがわかれて目をあけるようになるなど、体の細部がつくられていきます。
妊娠22週を「生育限界」といい、ここを越えると現代医学の助けがあれば、赤ちゃんが生まれても助かる可能性が出てきます。
筋肉や骨格が発達することで、動きがますます活発になり、胎動も激しくなってきます。
聴覚はほぼ完成し、ママの声やお腹の外の大きな音、血流音や心音などが聞こえているので、お腹に語りかけたり、手でトントンしたりしてコミュニケーションを楽しみましょう。
妊娠6ヶ月目の注意点
妊婦体操やマタニティヨガで腰痛を和らげましょう
大きくなるお腹を支えようとすると、姿勢が悪くなって腰や背中に負担がかかり、腰痛を引き起こしてしまいます。
妊婦体操やマタニティヨガを行うと、体全体の血流がよくなり、痛みだけでなく冷えやむくみを解消する効果が期待できます。
また骨盤まわりの筋肉を鍛えることができ、安産にもつながります。
椅子に座りながらできる体操や寝転がってできる体操もあり、特別な場所や道具がなくても手軽に行えますよ。
地域の保健センターや産院などでも体操教室やヨガ教室は行われているので、参加すればママ友とおしゃべりをしてストレス解消をすることもできますね。
切迫早産の可能性が
「育児は妊娠中からはじまる」といわれています。
お腹にいる間から愛情をいっぱい受けて生まれてきた赤ちゃんは、生まれてからもとても穏やかで、愛情に満ちているそうです。
無理のない生活を心がけながら、ゆっくりとした時間を赤ちゃんと過ごしましょう。
適切な医療措置を行えば、早産を防ぎ、赤ちゃんが十分に育つまでお腹の中で過ごすことができます。
下腹部痛やお腹の張り、出血、破水などの症状があり、異変を感じたときは、すぐに産院に連絡しましょう。
疲労も早産や切迫早産の原因の一つです。
安定期とはいえ周囲にサポートをしてもらいながら無理をしないように過ごしてくださいね。
赤ちゃんが妊娠22週~37週に生まれることを「早産」といい、その一歩手前の早産しそうな状態を「切迫早産」といいます。
早産の場合、赤ちゃんは体の器官が未発達の状態で生まれてくることから、重篤な障害を起こす可能性が高くなります。