新生児けいれんの対処法
けいれんは、何らかの理由で神経細胞が過剰に興奮することで、筋肉が不随意に収縮して起こります。赤ちゃんの神経細胞は未熟なため、ちょっとしたきっかけで異常興奮に陥入りけいれんを起こします。生後6ヶ月~3歳までの間に起こりやすく、新生児けいれんは全新生児の約0.2~0.4%で発症するといいます。
新生児けいれんは、何らかの病気の症状の1つとして現れることが多く、考えられる病気は脳の病気(頭蓋内の出血、脳損傷、脳奇形)、代謝異常の病気(低血糖、低マグネシウム血症、低カルシウム血症、電解質異常、アミノ酸代謝異常症、尿素サイクル異常症、有機酸代謝異常症)、感染症などです。病気以外にも、遺伝によるものや、妊娠中にお母さんが服用した薬の影響もあると考えられています。
新生児けいれんの原因
新生児けいれんとは、生後1ヶ月未満の新生児期に起こるけいれんのことです。体を強張らせて小刻みに震える大人のけいれんと違い、赤ちゃんのけいれんは、口をもぐもぐさせる、まばたきを繰り返す、目の凝視、といった微細発作という一見けいれんとは思えない特殊な動きをします。稀に、全身を硬直させたり、ガクッガクッと一定のリズムで手足を震わせたりすることもあります。
また、早産や低体重で生まれた赤ちゃんに起こりやすく、生まれて1週間以内に発作が起きる事が多いようです。
新生児のけいれんって?どんな症状?
赤ちゃんがけいれんを起こしても、体を揺さぶったり、大声を出して刺激してはいけません。けいれんが悪化し、長引く恐れがあります。また、以前は舌をかまないようにと赤ちゃんの口の中に物を入れることもあったようですが、けいれんで舌を噛むことはほとんどありまん。むしろ口の中を傷つけたり、誤飲して喉を詰まらせる、呼吸困難になるといった危険性があるので絶対にしないでください。
新生児けいれんを起こした赤ちゃんにやってはいけないこと
1.けいれんが起きたら、時計を見て時間を確認する(けいれんの持続時間を計測するため。5分以上続くようであれば、救急車を呼びましょう)
2.平らで安全な場所に寝かせ、顔を横向きにする(吐く可能性があるため。嘔吐物を気管に詰まらせないため)
3. けいれんの状態を見る(けいれんが左右対称か、体の一部だけのけいれんかなどを確認し、診察時に医師に伝えましょう)
4. 熱を計る(熱性けいれんの可能性があるため)
5.けいれんが治まるまで静かに見守る
6.けいれんが治まったら、意識が戻ったか確認をする(けいれん後の赤ちゃんは疲れて寝てしまう場合もあるので、ただ寝ているのか、意識がないのかどうかは瞳孔を見て判断しましょう)
赤ちゃんが急にけいれんを起こすと驚いてしまうかもしれませんが、落ち着いて対処することが重要です。新生児けいれんの症状が長引くほど、後遺症などのリスクが高くなるので、新生児けいれんの症状に気づいてたらできるだけ早く病院を受診しましょう。
赤ちゃんがけいれんを起こしたときは以下の対処をしてあげてください。
けいれんの持続時間や症状を記録しておくことで、後の治療をスムーズに進めることができます。
新生児けいれんを予防するには
けいれんの症状をやわらげるために体温や呼吸の状態、心拍の管理を行って、血液検査や脳波検査を行います。新生児けいれんを引き起こしている基礎疾患の治療と、けいれんの症状自体を治療する抗けいれん薬の投与を行います。抗けいれん薬としては、フェノバルビタール(フェノバール)、ミダゾラム(ドルミカム)、ジアゼパム(セルシン)、リドカイン(キシロカイン)といった薬があります。
新生児けいれんの治療
新生児けいれんの予防で一番心強いのは、母親の勘です。
いつもと様子が違うと感じた時は、迷わず病院に相談しましょう。何かあってからでは遅いですし、何もなければ安心することができます。不思議なことに、こういう時の母親の勘というものは当たるものなのです。
また、熱性けいれんであれば、熱の出始めに赤ちゃんの体を冷やすことで発症を防ぐことができるので、アイスノンや氷嚢などで処置をしてあげましょう。