早産以外では以下のような要因が考えられます。
妊娠の満期は40週です。肺サーファクタントが十分に生産されるのは妊娠34週頃からなので、妊娠34週未満の早産で生まれた赤ちゃんに多く見られます。
在胎週数が早ければ早いほど発症確率があがり、28週で70%、30週で55%、32週で35%、在胎34週で20%の割合で発症し、36週以降に出生した児ではほとんどみられません。
原因は、赤ちゃんの肺機能が未熟なためです。具体的には肺胞をふくらんだ状態に保つための「肺サーファクタント(肺界面活性物質)」と呼ばれる物質の生産機能が未熟なため起こります。
新生児呼吸窮迫症候群は、呼吸器系の障害です。正常に呼吸することが困難になります。
新生児呼吸窮迫症候群は、新生児肺硝子膜症とも呼ばれます。
新生児呼吸窮迫症候群とは?原因は?
ほとんどの場合出生後すぐに呼吸障害を発症し、24~48時間後に最も重症になります。
しかし、なかには生後1週間ほどしてから症状が現れる場合もあるので、早産で産んだ場合は特に注意が必要です。
【主な症状】
・浅く速い呼吸(無呼吸になる場合もあり)
・チアノーゼ
・陥没呼吸(息を吸い込むときに肋骨の間や胸骨の下がへこむ)
・呼吸時に喉がなる
・鼻孔の広がり
・尿量が少ない
呼吸困難によって以下の注意すべき症状が現れます。
新生児呼吸窮迫症候群の症状
【早産以外の原因】
・1,500g以下の低出生体重児
・新生児呼吸窮迫症候群だった兄弟がいる(遺伝性の発達障害によって起こることもあります)
・双子・三つ子などの多胎妊娠
・陣痛前の帝王切開による分娩
・分娩中の胎児への血流障害
・母体が糖尿病を患っている
新生児呼吸窮迫症候群の主な治療法は以下の3つです
新生児呼吸窮迫症候群は、出生後に十分な肺サーファクタントの分泌があるか検査してから治療を行います。
羊水や胃液などに混入した肺サーファクタントの状態を調べ、未熟だと診断された場合には、すぐに新生児集中治療室(NICU)に移されます。
新生児呼吸窮迫症候群の治療法
・人口肺サーファクタントの投与
・人工呼吸器、または経鼻持続的気道陽圧法
・酸素療法
新生児呼吸窮迫症候群の予防法
しかし、新生児呼吸窮迫症候群を発症する赤ちゃんは未熟性が強いため、普通は数日から数週間の人工呼吸器による治療が必要になります。
きちんと治療されていれば後遺症がでることはほとんどありませんが、この病気のあとに「気管支肺異形成症」を発症してくることも多く、人工呼吸器などによる治療が長期間必要になることもあります。
在胎週数が早い赤ちゃんほど合併症の確率が上がります。
人工呼吸器で呼吸補助を行いながら呼吸チューブを取り付け、人口肺サーファクタントを気管内に投与していきます。
人口肺サーファクタントによって少しずつ自力で呼吸ができるようになります。
肺の洗浄、強心薬などによる循環の補助が必要になる場合もあります。
これらの治療を行うことで多くは2~3日で改善します。
まとめ
早産を予防するこが新生児呼吸窮迫症候群の予防へつながります。
早産のリスクを軽減するため、妊娠中は妊婦健診を欠かさず受け、喫煙やアルコールを避けましょう。
早産になる可能性が高い場合は、ママに副腎皮質ステロイド薬が出されます。
新生児呼吸窮迫症候群は生まれてすぐ発症する場合がほとんどですが、遅れて発症する場合もあります。
赤ちゃんの呼吸に異変を感じたらすぐに医師や看護師に相談しましょう。