2016.07.26 Tue 更新

高ビリルビン血症って赤ちゃん・新生児もなる!?その原因や治療法などについて

赤ちゃんが生まれてから退院するまでに「高ビリルビン血症」を診断されることがあります。よく知らない病気だと診断されたときに不安になってしまいますね。今回は高ビリルビン血症の原因や治療法についてご紹介します。

生後3~4日中に検査を行って数値が高い場合は治療が必要になります。
生後24時間以内に現れる早発黄疸(おうだん)、血液中のビリルビンが正常域を超えて高くなる重症黄疸、生後2週間以上にわたって持続する遷延性(せんえんせい)黄疸は、病的な黄疸です。

新生児は前項で説明した生理的な原因により健康な赤ちゃんでもビリルビン値が高くなる傾向があります。
しかし、病的な原因でビリルビン値が高くなっている場合もあります。

高ビリルビン血症の原因

高ビリルビン血症とは血液中のビリルビンの値が異常に高くなった状態のことです。
ママのお腹の中にいる胎児は、効率良く酸素を取り入れるために、血液中の赤血球が多くなっています。
しかし生まれた後は自分で呼吸できるようになるため、たくさんあった赤血球は不要になり分解されます。
この時、黄色い色素をもつビリルビンが大量に生み出されるのです。
そのため、ビリルビンの値が高くなると、肌や白目が黄色っぽくなる「黄疸」という症状が現れます。

高ビリルビン血症とは?

高ビリルビン血症の治療法

病院では、新生児の黄疸が生理的なものか、病気によるものかを判断するため、皮膚の上からビリルビンの濃度を測定します。
新生児のビリルビンの正常値は5mg/dlです。
5mg/dlを超えると黄疸が現れます。
血液中のビリルビンの値が15mg/dl以上(2500g以下の低出生体重児の場合は12mg/dl以上)を超え続ける場合は病的黄疸が疑われるので、血液を採取して詳しい検査をします。
母乳性黄疸かどうかを見極めるため、一時的にミルク育児に変更することもあります。

高ビリルビン血症の検査方法

主な病的原因としては、ビリルビンが過剰にできる「溶血性黄疸」、肝臓の機能が弱いために起こる「新生児肝炎症候群」、胆汁の排泄がうまくいかない「先天性胆道閉鎖症」、赤血球が過剰に増える「多血症」などが挙げられます。

まとめ

光線治療の際、アイパッチをされオムツだけで保育器にいれられる我が子の姿にショックを受けて泣いてしまうママもいますが、高ビリルビン血症はよくあることで心配する必要はありません。
症状を見過ごされて治療しないままのほうがよっぽど可哀想なので、ママも頑張って強くなりましょうね。

ビリルビンの値は日光や蛍光灯の光にあたると下がることが知られています。
昔は黄疸が出た場合は、血液中のビリルビン値を下げるために日光浴が勧められていました。
しかし現在では、日光浴では劇的な治療効果は見られないため、きちんと光線治療を行うことが一般的です。
光線治療でもビリルビンの値が下がらない場合は、体内の血液をすべて置き換える「交換輸血」が行われます。

赤ちゃんのビリルビン値が多少高くても症状が軽度であれば治療は特に必要ありません。
しかしビリルビン値が15mg/dlを超え続ける場合には治療が必要です。
特に病気が原因の場合は、ビリルビンが脳神経細胞を損傷して「核黄疸」という病気を引き起こす危険があります。
場合によっては脳性麻痺などの後遺症や、命にかかわる場合もあるので、早急にビリルビンの値を下げる治療が必要になります。

ビリルビン値は生後必ず検査をするので大抵は退院するまでに発覚します。
ビリルビン値が高くてもほとんどは生理的な症状です。高ビリルビン血症と診断される赤ちゃんは意外に多いそうですよ。
診断されても1日~数日の光線治療で無事退院できる赤ちゃんがほとんどなので、あまり心配しないようにしましょう。

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