2016.08.01 Mon 更新

新生児溶血性黄疸って普通の黄疸と違うの?その詳しい原因や症状について

たいていの赤ちゃんは生理的なしくみにより、生まれて数日経ってから黄疸が現れます。通常の黄疸なら治療の必要がありませんが「新生児溶血性黄疸」だった場合は早急に対処が必要です。今回は新生児溶血性黄疸の原因や症状、治療法について詳しくご紹介します。

・血液型不適合妊娠(ABO式、Rh式)
・母体の病気によるもの
・赤ちゃんの赤血球の先天異常

原因は主に3つに分けられます。

新生児溶血性黄疸の原因

新生児溶血性黄疸は、さまざまな原因により赤血球が急激に破壊され、血液中のビリルビンという成分が大量に増加する病気です。
早発黄疸(生後24時間以内に出現する黄疸)や貧血などの症状が現れ、放置すると重篤な病気に発展することがあります。

新生児溶血性黄疸とは

生まれた時点で黄疸が出ていたり、黄疸の症状が急にひどくなるといった場合は新生児溶血性黄疸の場合があります。
新生児溶血性黄疸は治療せずに放置すると、貧血、核黄疸、脳性麻痺など重い病気に進行してしまう危険性があります。

新生児溶血性黄疸の症状

Rh式血液型不適合は、母親がRh陰性で子どもがRh陽性である場合です。
ABO式血液型不適合と比べ、重症化することが多く、注意が必要です。
ABO式は第一子から発症する可能性がありますが、Rh式の場合は、第一子にRh陽性の子ども産み、次回の妊娠で胎児がRh陽性である場合に問題になります。

ABO式血液型不適合は、母親がO型で子どもがA型もしくはB型である場合で、全出生の約2%に認められます。しかし、溶血性黄疸の発症頻度は3000人に1人の割合です。

血液型不適合妊娠の割合が最も多く、血液型不適合妊娠の中ではABO式とRh式が代表的です。
どちらもママの抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、胎児の赤血球が破壊されてしまうことが原因となります。

新生児溶血性黄疸の治療法

病院では、新生児の黄疸が生理的なものか、病気によるものかを判断するため、皮膚の上からビリルビンの濃度を測定します。
新生児のビリルビンの正常値は5mg/dlです。
5mg/dlを超えると黄疸が現れます。血液中のビリルビンの値が15mg/dl以上(2500g以下の低出生体重児の場合は12mg/dl以上)を超え続ける場合は病的黄疸が疑われるので、血液を採取して詳しい検査をします。
母乳性黄疸かどうかを見極めるため、一時的にミルク育児に変更することもあります。

新生児溶血性黄疸の検査方法

赤ちゃんのビリルビン値が多少高くても症状が軽度であれば治療は特に必要ありません。
しかしビリルビン値が15mg/dlを超え続ける場合には治療が必要です。
特に病気が原因の場合は、ビリルビンが脳神経細胞を損傷して「核黄疸」という病気を引き起こす危険があります。
場合によっては脳性麻痺などの後遺症や、命にかかわる場合もあるので、早急にビリルビンの値を下げる治療が必要になります。

黄疸は健康な赤ちゃんでも場合あらわれますが、病的な黄疸の場合は早急に治療が必要です。
ほとんどの場合、退院するまでに発覚しますが、気になる症状があるときは医師や看護師に相談しましょう。
もしも新生児溶血性黄疸になっても適切な治療を受ければ無事退院できるので心配しないでくださいね。

まとめ

ビリルビンの値は日光や蛍光灯の光にあたると下がることが知られています。
昔は黄疸が出た場合は、血液中のビリルビン値を下げるために日光浴が勧められていました。
しかし現在では、日光浴では劇的な治療効果は見られないため、きちんと光線治療を行うことが一般的です。
光線治療でもビリルビンの値が下がらない場合は、体内の血液をすべて置き換える「交換輸血」が行われます。

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