2016.04.05 Tue 更新

繰り返してしまうの?習慣流産って何が原因なの?その症状と治療法について

おなかに赤ちゃんを授かったのに自然流産を繰り返してしまう…いわゆる「不育症」。その中でも妊娠22週未満で流産を3階以上繰り返す場合を「習慣流産」と呼びます。では、なぜ赤ちゃんが育ってくれないのでしょうか?その原因と症状、治療法についてまとめてご紹介いたします。

原因はなんなのか

また、流産を起こした10人の患者さんの原因を調べると、そのうちの7割が偶発的な染色体異常(配偶子(卵子・精子)がつくられる際の異常、受精の異常などが原因となり起きます)が原因で、育ちようがなかった場合で占められます。
一説には85%染色体異常ともいわれています。
しかし何回も流産を繰り返す場合には、すべてが偶発的な染色体異常である確率は、回数が増せば増すほど低くなります。

習慣流産とは、妊娠は成立するものの、続けて3回以上の流産を繰り返す場合をいいます。
しかし現在の少産少死の時代では、2回流産を繰り返した場合(不育症、反復流産)も治療の対象となる場合もあります。
一般的に10人が妊娠した場合、その内の1人から2人は流産になってしまいます。

習慣流産とは

一般的に患者さんは、ご夫婦とも普通の社会生活を送られている方々なので、決定的に子供ができないという染色体異常のあるケースはあまりありません。
多くは転座といって、ある染色体の一部分が千切れて他の染色体にくっついているというものです。

もちろん精子形成の際の異常もありますが、事前に検査できることではありません。
女性側の原因も男性側と共通です。偶発的な染色体異常ではなく、もともと自身に染色体異常がある場合があります。

(1)甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)、糖尿病などの内分泌機能異常
(2)抗(こう)リン脂質抗体(ししつこうたい)症候群、膠原病(こうげんびょう)などの自己免疫異常
(3)カップルのどちらかの染色体に転座(てんざ)などの異常がある(この場合、転座があっても体のどこにも異常はみられない)
※男性側の原因で考えられるのは、染色体の異常です。男性側の原因はこれだけです。

流産を繰り返す場合には、他に特別な原因があるのではないかということになります。
それでは、習慣流産の原因とは一体なんでしょうか。

習慣流産の治療法は?

習慣流産では、妊娠はしても胎児が育たない不育症(ふいくしょう)となります。
妊娠12週以前は通常の自然流産と同じ経過ですが、12週以降は多くが胎児死亡として見つかります。

症状の現れかた

(4)子宮の形の異常、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)
(5)子宮の感染症(クラミジアなど)
(6)カップル間の移植免疫的な相性(臓器移植時の拒絶反応に似た免疫的な相性の悪さ)などによる問題が知られています。

原因が見つかれば、その治療を試みますが、現段階での治療方法はありません。
甲状腺機能低下症なら甲状腺ホルモン補充、糖尿病は血糖の正常化、抗リン脂質抗体症候群では抗凝固(こうぎょうこ)療法、自己免疫疾患の場合は抗凝固療法やステロイドホルモン治療、子宮の形態異常や子宮筋腫では手術療法、免疫反応としての習慣流産が疑われる場合は、一部に免疫療法が有効なことがあります。

習慣流産に気付いたらどうすればいいのか

習慣流産の患者さんは妊娠はするわけなので、本来、体外受精は必要ないのですが、着床前診断を行なうためには体外受精による治療が必要不可欠になります。
この方法を用いることにより、染色体異常のある方の、何回も繰り返される流産の悲しみからの回避が可能になります。

異常の種類によっては(転座があるとき)、理論上は1/4の確率で正常な子供が、1/4の確率で自分と同じ異常を持った子供が産まれるという場合もあります。
この場合には数を打てば当たるではありませんが、うまく子供ができるまでトライを続けていただくしか方法はありません。

2回までの自然流産(反復流産)は数10人に1人の割合で起こる現象であり、めずらしいことではありませんが、3回以上自然流産を繰り返した場合は、病院で相談してください。

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