2016.05.21 Sat 更新

赤ちゃんの新生児髄膜炎ってどんな病気?その種類や原因、対策法について

新生児髄膜炎とは、脳や脊髄を覆っている髄膜の中に、細菌、ウイルス、真菌など侵入して、中枢神経系に炎症を起こす病気です。さまざまな脳神経細胞障害、脳のむくみなどを来し、後遺症や死亡の原因となります。 しかも、この新生児髄膜炎の初期症状が風邪とよく似ているため、すぐに判断がつかないのがとても厄介です。新生児髄膜炎についての知識を持ち、もしもの時に備えましょう。

最初に説明したとおり、新生児髄膜炎にははっきりと見分けられる症状がありません。しかし、以下のような症状が出た場合は病院を受診しましょう。

新生児髄膜炎の症状

脳や脊髄を覆っている膜のことを髄膜と呼び、細菌、ウイルス、真菌などの細菌が、髄膜の奥まで入り込み、中枢神経系に炎症を起こすのが新生児髄膜炎と言われる病気です。髄液中での細菌などの増殖により、さまざまな脳神経細胞障害、脳のむくみなどを来し、後遺症や死亡の原因になります。 大人が髄膜炎にかかることはほとんどなく、生後6ヶ月~2歳くらいまでの赤ちゃんに多く見られます。生後90日以内における新生児の髄膜炎を新生児髄膜炎といい、1万人に約1人の割合で新生児髄膜炎を発症します。

髄膜炎とは、最悪の場合死に至る、子供のかかる病気の中でも重い病気の一つです。普通の風邪と見分けがつきにくく、早い段階では診断がつきにくいのが厄介で、重症化しやすいという特徴があります。

新生児髄膜炎ってどんな病気?

エンテロウイルスやムンプスウイルスなどの様々なウイルスに感染して起こります。赤ちゃんが髄膜炎になる場合のほとんどがウイルス性で、きちんと治療すればほとんど重症化することはありません。

無菌性髄膜炎 (ウイルス性髄膜炎)

新生児の髄膜炎の原因は、大きく「無菌性髄膜炎(ウイルス性髄膜炎)」と「細菌性髄膜炎」の2つに分けることができます。

新生児髄膜炎の原因

・急な高熱が出て、体力が低下
・食欲の低下、嘔吐
・泣き止まない、機嫌が悪くなる。
・光を嫌がる
・意識朦朧、ぐったりしている
・けいれん

新生児因子

新生児髄膜炎に感染するしくみ

大腸菌やB群溶連菌が原因になる割合が高く、続けてインフルエンザ菌や肺炎球菌が原因となることもあります。無菌性髄膜炎 (ウイルス性髄膜炎)よりも発症頻度は少なく、出生1000人に対し0・2~0・4人といわれています。かかると重症化しやすく、適切な治療を行っても約5%が死亡するといわれています。

細菌性髄膜炎

赤ちゃんが未熟であるほど、感染防御機能も未成熟です。このため、感染が局所にとどまらず、全身性の感染に陥りやすいとされています。

環境因子

母体内で血液を介して子宮から経胎盤感染を起こしたり、破水などにより上方性感染となり、または分娩に伴い経産道性に感染する可能性があります。

母体因子

症状は髄膜炎に限られたものではないため、敗血症や髄膜炎が疑われた場合は腰から髄液を抜いて髄液検査を行います。髄液の状態や増殖している細胞の種類、ウイルスの有無などを調べて、無菌性(ウイルス性)と細菌性のどちらにあたるかを特定します。

検査と診断

治療の方法

無菌性(ウイルス性)髄膜炎の治療法

細菌性の場合は、重篤化の危険性があるため、すみやかに抗菌薬が投与されます。入院して2~3週間は抗生物質を投与し続け、定期的に血液検査や髄膜検査を行います。

細菌性髄膜炎の治療法

無菌性(ウイルス性)性髄膜炎と診断された場合、ウイルスに対する特効薬がないため、原因を治す「原因療法」とは異なった、症状を和らげる「対症療法」をとります。ウイルス性は重症化することがほとんど無いので、対症療法をしながら経過観察を行います。嘔吐や下痢がひどい場合は、脱水症状を防ぐために点滴で水分補給をします。

髄膜炎の予防

細菌性髄膜炎を予防する手段として、肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの接種があります。これらは元々任意接種でしたが、現在は定期接種の中に組み込まれており、定期の予防接種通知書がきちんと届きます。生後2ヶ月からスケジュールを決めることができ、接種回数は月齢・年齢によって異なります。

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