2016.05.21 Sat 更新

新生児溶血性黄疸って普通の黄疸と違うの?その詳しい原因や症状について

新生児溶血性黄疸とは、お母さんと赤ちゃんの血液型(ABO式、Rh式血液型などがあります)が異なっていると起こる病気です。一般的な黄疸は自然と消滅する、あるいは光線療法で治りますが、新生児溶血性黄疸は抗体が赤ちゃんの赤血球を攻撃して生じるものなので、適切な治療が必要となります。新生児溶血性黄疸とはどんな病気なのか、ご紹介していきましょう。

新生児溶血性黄疸の原因

生理的な黄疸は生後2~3日で発症しますが、新生児溶血性黄疸の場合、出生直後から強い黄疸が起こり、核黄疸(脳内の大脳基底核という部位に黄疸の原因となるビリルビンが流れ込み、脳の中に沈着します。脳内のビリルビンが増えて神経細胞を傷つけ、脳性まひになります)を引き起こすこともあります。黄疸のほかに貧血の症状がみられることもあります。

一般的な黄疸と新生児溶血性黄疸の違い

さまざまな原因によって赤ちゃんの赤血球が急激に破壊され、早発黄疸や貧血などの症状が生じる病気です。

新生児溶血性黄疸とは

新生児溶血性黄疸の治療

主な症状は黄疸、貧血です。

新生児溶血性黄疸の症状

お母さんと赤ちゃんの血液型が違う場合、赤ちゃんの血液がお母さんの血液に入るとお母さんの体に抗体ができます。この抗体が分娩時に胎盤より赤ちゃんの血液に入ると、赤血球が破壊され、ビリルビンが大量に生じて新生児溶血性貧血になります。ABO式血液型不適合は全出生の約2%に認められますが、ABO式血液型不適合溶血性黄疸の発症頻度は3000人に1人ほどです。Rh式血液型不適合は、ABO式血液型不適合に比べて重篤化する可能性が高く、注意が必要です。

新生児溶血性黄疸は、母体間の血液型の不適合や赤血球形態異常、母体の病気によるもの、薬剤や感染によるものなどが原因で赤ちゃんの血中の赤血球が破壊され、ビリルビン値が上昇し、早発黄疸や貧血などの症状が起こる病気です。
最も多い原因が血液型不適合妊娠に伴うもので、母体間のABO式血液型不適合(母親がO型で子どもがA型もしくはB型)およびRh式血液型不適合(母親がRh陰性で子どもがRh陽性)です。

新生児溶血性黄疸に気づいたら

診断と同時に早急かつ適切な治療が必要です。血液中のビリルビン値により、光線療法や、免疫グロブリンやアルブミンの点滴静注を行います。重症の場合は交換輸血が必要です。

お母さんと赤ちゃんの血液型不適合の有無(ABO式、Rh式血液型など)を調べます。お母さんと赤ちゃんの間に血液型不適合があり、お母さんの血液中に胎児の赤血球に感作された結果生じた抗体が認められた場合や、赤ちゃんの赤血球に、胎盤を通して移行してきたお母さん由来の抗体が認められた場合に、診断が確定します。

血液型抗原に対する抗体がお母さんの血液中にでき、分娩時の胎盤剥離の際に、少量の胎児赤血球がお母さんの血液に入って起こるため、新生児溶血性黄疸は第一子では発症せず、二人目以降の赤ちゃんにあらわれます。(ABO式血液型不適合溶血性黄疸は第1子から発症する可能性がありますが、重症の黄疸が生じることはほとんどありません。Rh式血液型不適合溶血性黄疸はRh陰性の母親がRh陽性の子どもを産み、二人目の妊娠で胎児がRh陽性である場合が問題となります)

早発黄疸を伴うので、病院内で気づかれます。また、妊娠中の血液検査で血液型不適合がわかっている場合は、出生後すみやかに検査、治療を行うことができます。高いビリルビン値は聴力に異常を来すことがあるため、聴力検査や発達の経過観察が必要となります。

妊娠中に、抗体ができているかどうかを採血で調べることが可能です。最近では、出産後72時間以内に、母体に抗体がつくられるのを予防する抗Dヒト免疫γ(ガンマ)グロブリン)を注射することが一般的になってきています。この注射を打つことで、二回目以降の妊娠の際に胎児の血液中で抗原抗体反応がおこらないようにすることができるため、Rh式血液型不適合妊娠による重症化は減少傾向にあります。

新生児溶血性黄疸の予防

このまとめに関する記事

ランキング

ページトップへ